見出し画像

【解説と紹介】「#いいねされた数だけ好きなゲーム音楽を挙げる見た人もやる」

この記事を書いている人:296
ゲームを愛しゲームに育てられたと言っても過言ではないハードゲーマー
SFCに始まり、現在までずっとなんらかのゲームをプレイしている
ゲーム音楽も好きで、サントラを購入したりレンタルショップで借りたりしていた。現在は専らサブスクにお世話になっている。

はじめに

 こんにちは!ゲームばかりしているダメな大人の296です。先日Twitter(敢えて)でこんなハッシュタグが回ってきました。

「#いいねされた数だけ好きなゲーム音楽を挙げる見た人もやる」

 私のTwitterのTLは1/3程度がゲーマーさんなので、この流れでみなさん様々なゲーム音楽を挙げられていました。私は未プレイのゲームでも気になったらサントラやアレンジアルバムを聴くタイプなのですが、みなさんはどうでしょうか?

 今回の記事で読者に与えたいものはズバリこの3つです。

・聴いたことのあるゲーム音楽の良さを再認識する
・未プレイのゲームの音楽の良さを知り、ゲームに興味を持つ
・普段ゲームをあまりプレイしない方がゲーム音楽の良さを知る

 音楽は好きだけど普段ゲームをしない方は、新しい音楽を聴こう!という時にゲームのサントラに手を出すことはまぁないと思います。でも、ゲーム音楽ってすごいんですよ?作品世界観にマッチさせるために、ありとあらゆる音楽表現が用いられています。

 今回はすぐに聴いてもらえるようにSpotifyの埋め込みを利用しています。騙されたと思って一度再生ボタンを押してみてください。後悔はさせないつもりです。

 ちなみに、私のツイートへのいいねの数は8でしたが、曲を選んでいたら普通にオーバーしたのでちょっと増量しています。ちょっとね。

 それではよろしくお願いします。


1:GRAVITY DAZE 2 / GRAVITY DAZE 2

 一曲目はPS4タイトル「GRAVITY DAZE 2/重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択」から。作曲は田中公平さん。ワンピースやサクラ大戦で有名な大御所ですね。近年はプリンセスコネクトのOPなども手掛けられています。

 この曲はタイトル画面にて作中ムービーの切り出しと共に流れます。曲調は愉快かつ荘厳、そして美しい。主人公である重力姫キトゥンの性格を見事表現しつつ、これから始まる冒険へのワクワク感を高揚させてくれる名曲です。

2:荒野の果てへ / WILD ARMS

 2曲目はPS1タイトル「ワイルドアームズ」から。作曲はなるけみちこさんです。

 こちらはゲームを起動して一番初めのOPムービーで流れます。ワイルドアームズは荒野と口笛のRPG。この曲は「荒野と口笛」という2つのメインテーマを見事描き切っています。

 オープニングBGMにあたるので、1曲目に紹介したGRAVITY DAZE 2のようなワクワク感もありますよね。しかし、それと同時に物悲しさも印象付きます。一体どのようなストーリーが展開されるのか、期待せずには居られません。ゲームの最初に掛かるBGMとして正にお手本のような一曲です。

3:萌動:FINAL FANTASY X

  3曲目は「FFX」から。FFX全編のメインテーマとも言える「ザナルカンドにて」という非常に物悲しい名曲があるのですが、こちらはそれをアレンジしたものとなっています。

 FFXは近未来風の都市に住んでいた主人公ティーダが、ある事情により「スピラ」というアジア風の異世界に飛ばされることから物語が始まります。見ず知らずの世界で言葉も通じない、モンスターも襲ってくる。そんな不安しかなかった世界で仲間と出会い、目的ができ、少し旅が楽しくなって風景を見る余裕が出てきた…そんな時に掛かるのがこの曲なのです。

 スピラの異国情緒に感極まり、ただ浸っていく…あぁなんと良い曲なのだ!と思わずには居られません。ちなみに萌動とかいて「ほうどう」と読みます。

4:City On The Mesa / HORIZON-ZERO DAWN-

 4曲目はPS4タイトル「HORIZON -ZERO DAWN-」から。このタイトル洋ゲーなので、日本のゲームとはBGMの雰囲気がかなり違います。ハリウッド映画のようなイメージを持ってもらうのが分かりやすいかと思います。

 HORIZONの舞台は今から数百年後のアメリカ。いわゆるポストアポカリプスもので、一度文明が滅んだ後に古代ギリシア程度まで世界が再構築されています。ただし、実際の古代ギリシアとは違い、荒野には機械の獣が闊歩し、探索を行うと至る所で近未来的な兵器の残骸や、倒壊したビルを目にすることになります。

 私は「洗練と野蛮」というように相反する2つのテーマが同居する楽曲が大好きなのですが、このゲームの世界観がまさにそれであり、BGMもそのように構成されています。原始的・牧歌的でありながら、近未来的な美しさも併せ持っている。息をのむような美しいグラフィックとBGMを同時に摂取すると、心がHORIZONの世界に入ったような錯覚さえ覚えます。

5:月夜の町 ロア /  聖剣伝説Legend of Mana

 5曲目はPS1タイトル「聖剣伝説LOM」から。作曲は下村陽子さんです。このゲームは剣と魔法の王道RPGでありながら、他に類を見ない独特の世界観が印象的。

 このBGMはそんな独特な世界の中にある一つの町、ロアというところで流れます。ロアは常に夜の町。薄暗いレンガ調の町の中に、ランプの灯りと月の光が射し込む様は幻想的と表する他ありません。この曲もそんな幻想の構築の小さな…いえ、大きな一部と言えるでしょう。

6:Coffee Talk

 6曲目は…というか6番目は海外のインディーズタイトル「Coffe Talk」のサウンドトラック全てです。ものすごい力業で恐縮です。しかしこれには理由があります。

 「Lo-Fiミュージック」というものをご存じでしょうか?これは演奏ミスや環境ノイズなどの本来望ましくない「不完全」な要素が含まれているローテンポの音楽を指します。ノイズというと音楽的には好ましくないのでは?と思うかもしれませんが、アナログレコードやカセットテープで音楽を聴くところを想像してみてください。これらにはプツプツとしたノイズ感がありますが、それがどこか味となって良さを感じますよね。

 Coffe Talkのサウンドトラックは全てがこの「Lo-Fiミュージック」となっています。ローテンポの美しい曲の中に心地よいノイズが混ざり、聴く人に「チルアウト(=まったりする)」の時間を与えてくれます。コーヒーを飲みながら語らったり、読書したり、絵を描いたり…という時にぴったり。私は作業のお供によくこのアルバムを聴いています。
 そして、作業用BGMはやはり曲を変える手間なく長時間聴いていたいもの。ですので、これに限ってはアルバム単位での紹介をさせてもらいました。

7:厳戸台分寮 / ペルソナ3

 6曲目は来年2月にリメイクの発売も決定しているPS2タイトル「ペルソナ3」から。作曲は目黒将司さん。

 私が語るまでもなく有名ですが、ペルソナ3のBGMはゲーム音楽の中において非常に革新的でありました。
 これまでゲーム音楽というと、やはりどこかゲーム然としていたものが多く、ゲームを知らない人が居るような場で流すには難しいものがありました。ところが、ペルソナ3のBGMはその当たり前をぶち壊すおしゃれで洗練されたものであったのです。ジャズやファンクを取り入れたハイカラなボーカル曲は一般的なバーやカフェで流しても特に違和感がありません。(なお、全体としてこれまでのゲームらしいBGMも含まれています)

 初めてペルソナ3のBGMを聴いたときの衝撃は今でも忘れることができません。ゲームってこんな音作りをしても良いんだと。このタイトルを皮切りに、おしゃれなゲーム音楽がどんどん増加したのは言うまでもありません。

8:シャーリィを追って / テイルズオブレジェンディア

 7曲目はPS2タイトル「テイルズオブレジェンディア」から。作曲は椎名豪さんです。

 テイルズシリーズは基本的に桜庭統さんが作曲を担当されているのですが、レジェンディアのみ椎名豪さんが担当されています。ストリングスが印象的な曲が多く、コンサートホールで演奏を聴いているような感覚にしばし陥ります。
 「シャーリィを追って」はバイオリンが主旋律でジャズ調の小気味よい曲です。主人公セネルの妹シャーリィが、敵にさらわれてしまったので追いかけている際に立ち寄る「ちょっとしたダンジョン」で流れます。…え!?ちょっとしたダンジョンでこのかっこいい曲を!?贅沢、贅沢の一言です。ちなみにレジェンディアの楽曲群はどれも名曲でハズレがありません。サントラだけでもぜひ聴いてみてください。

9:Junkyard Jive / CUPHEAD

  9曲目は海外のインディーズタイトル「CUP HEAD」から。

 このゲームで描かれている70~80年代のカートゥーンのアニメーションは全て手書きだそうです。まずこのクオリティが頭おかしい。そこに合わさるのがこのBGM。ジャズ・ラグタイム・スィングといったジャンルがゲーム音楽に取り入れられることはままありますが、ここまで本格的に全曲に取り入れられたのはこの作品が初めてではないでしょうか。しかも全て生演奏。
 このアルバムに限ってはその手のジャズ・ラグタイム・スィングの盤として勝負が出来ます。実際にカナダの権威ある「ジュノー賞」のインストアルバム部門にノミネートされたほどです。

10:Moonlit Melee / SKULL GIRLS

 10曲目は海外インディーズタイトル「スカルガールズ」から。作曲は「悪魔城ドラキュラ」シリーズで著名な山根ミチルさん。

 スカルガールズはカートゥン調のキャラクターが戦う2D格闘ゲーム。一癖も二癖もあるキャラクターがどれもかわいく動き回ります。ただ、「スカル」とタイトルにある通り、基本的にどのキャラクターもホラー調のモンスターです。
 BGMもそれに合わせゴシックでホラーな雰囲気。でもクールでスタイリッシュ。そんな楽曲群が大量に通常対戦で掛かるので驚きです。「Moonlit Melee」はその中でも特にお気に入りの一曲。カッコよくておしゃれ、でもどこかおどろおどろしい所が大好きです。

11:ブレイブリーデフォルト2

 11曲目…というか11番目は「ブレイブリーデォルト2」から。だって連続して聴いて欲しいんだもん。作曲はサンホラやリンホラでおなじみのRevoさん。詳しくない方でも「進撃の巨人」の「紅蓮の弓矢」の人と言えばわかるハズ。

 Revoさんは前作のブレイブリーデフォルトでも楽曲を手掛けています。そしてサントラではこのようなコメントをなさっていました。「いいゲーム音楽は、それをただ聴いたときに場面が想像できたり、SEが鳴ったりする(意訳)」ブレイブリーデフォルトの幻想的なBGMは正にこれを体現しています。

 さて、「通常戦闘曲~必殺技BGM」と題してプレイリストを貼っています。まずブレイブリーデフォルトシリーズの必殺技システムの話をさせてください。
 今作はコマンド選択式のRPGなのですが、バトル中に条件を満たすと必殺技を使うことが出来ます。発動するとBGMがキャラクター専用のものに変化。このBGMが流れている間は必殺技ごとのバフ効果が味方全体に掛かります。そして、このBGMが終わる前に次にキャラが必殺技を使うと…BGM変化すると同時にバフが重ね掛けされ、効果時間も延長します。つまり、必殺技を重ねれば重ねるほどパーティがどんどん強くなるわけですね。
 このバフの重ね掛けとかっこいいBGMの畳みかけは、否が応でもプレイヤーのドーパミンをドパドパ分泌させます。そりゃあもうすごいなんてものではありません。このドーパミンの雰囲気を少しでも味わってほしいなと思い、プレイリストにさせてもらったわけなのです。

 ちなみにこのキャラクター毎の必殺技BGMはある場面でまた深く効いてくるわけなのですが、それは本編を遊んでのお楽しみということで。

12:Musique pour la tristesse de Xion / 「KINGDOM HEARTS 358/2 Days」

  12曲目はDSソフト「KINGDOM HEARTS 358/2 Days」から。作曲は下村陽子さんです。

 キングダムハーツシリーズはディズニーとスクエアの共同制作ということもあって、比較的明るくて楽しい曲が多いです。「不思議の国のアリス」や「トイストーリー」といったディズニー世界を冒険するわけですから当然です。

 しかし、物語の本編はFF然としたキングダムハーツオリジナルキャラたちの掛け合いで進んでいきます。この曲はそんなオリジナルキャラの一人、「シオン」のテーマです。美しいストリングスによる泣きたくなる旋律。彼女の物憂げで儚い雰囲気をよく表現した名曲です。
 …ですが、そんな彼女と戦わなくてはならない事態になります。

 「Vectors to the Heavens -Xion-」は心をつんざくような激しいギターとドラムがプレイヤーの士気を高めるのですが、所々に挟まれているストリングスとピアノの儚さがそれに歯止めを掛けます。この二つの相反する要素で構成されたこの曲は、匠の業と言わざるを得ません。なぜ彼女と戦わなければならないのか。気持ちが昂るのに涙が溢れて止まらない…。辛い、辛すぎる。

 という訳で「キングダムハーツ 358/2 Days」オススメです。今ですと「キングダムハーツ1.5HD」というタイトルを買えば、「358/2 Days」の本編映像作品を見ることが出来ます。キングダムハーツを全く知らない人がいきなりこれを観ても大丈夫です。

13:Dearly Beloved / KINDOM HEARTS

  ここまでお付き合いありがとうございました。最後の曲はPS2タイトル「キングダムハーツ」から。作曲は当然下村陽子さん。

 この曲はキングダムハーツの「始まりと終わりの曲」と表することが出来ます。なぜならタイトル画面と、クリア後のリザルト画面で流れるから。これはシリーズお決まりの構成です。

 ひとつ前の項目でも少し触れましたが、キングダムハーツはディズニーとスクエアの共同制作。ディズニーと言えばテーマパークや映画作品から明るくて前向きで楽しい印象を持ちますよね。
 「Dearly Beloved」はそんな印象でやってきたプレイヤーに静寂の衝撃を与えます。これから始まる物語は切なくて、儚くて、心が痛むかもしれないよ。でも、恐れないでと。そして、そんな旅路を終えたプレイヤーを優しく癒すのもこの曲なのです。
 私はキングダムハーツシリーズはそれはもう大好きのなのですが、その全ての始まりはきっとこの一曲に集約されているのだと思います。

まとめ

 という訳で、「#いいねされた数だけ好きなゲーム音楽を挙げる見た人もやる」から発展させた記事でございました。8いいね+αに収まったのではないでしょうか^^

 ゲーム音楽の話は以前からnoteにまとめたいなと思っていたので、いい機会だったと思います。今回まとめることのできなかった大好きな曲が星の数ほどありますので、また機会をみてしたためたい所存です。

 今回の記事で、新しく好きな曲ができたり、気になるゲームが出来たりしている人が居ると嬉しいなと思う296なのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?