TRPGは和製英語なのか

2つの文章を読み比べてみよう

1. 「テーブルトークロールプレイングゲーム」は和製英語である。英語では"Tabletop role-playing game"などと言い、役割を演じるゲームを机上で遊ぶからである。

2. 「ピーマン」は和製英語である。英語では“Sweet pepper”と呼ばれ、熱帯アメリカ原産の野菜であったが、江戸時代に日本にポルトガル人によって伝えられ、元々トウガラシを意味するフランス語「piment(ピマン)から名付けられた。

さて上の1と2は何が違うのだろうか。今回の話題と関係ない答えを先に書いてしまうと、2は元々フランス語なのだから和製英語ではないことである。

答えは、1は英語の"Tabletop role-playing game"の語源の説明をしており、2は日本語の「ピーマン」の語源の説明をしていることである。
つまり日本語の「テーブルトークロールプレイングゲーム」の語源の説明をしていない。

こういった説明は良いようには思えない。
本当にTRPGが和製英語であるかという説明になっておらず、英語圏の一部で"Table-talk role-playing game"と呼ばれていた文献があり、それを日本で輸入したが、英語圏では"Tabletop role-playing game"では一般的であるかもしれない。
これは「和製英語」の意味を「日本で作られた英語」と「日本での意味と英語での意味が異なる英単語」の2つの意味があるように思われる。


「ガソリンスタンド」は和製英語であるとも言われているが、アメリカでも昔「Gas stand」と呼ばれていたと情報あり(私はこの部分未調査)。
https://nihon5-bunka.net/jinglish-gasolin-stand/

この手の説明は意外と多い。"roleplayning"はrole=役割、play=演じると説明される。がこれも説明としては非常に論理的ではない。
role=役割、play=演じる、であれば、それは"play a role"の説明であって、それが"roleplayning"の同一であるかの説明がまったくないからである。
例えば、cat=猫、walk=歩く、であるが、walk a catであると猫の散歩(walk a dogが「犬を連れて公園を散歩する」という意味であるから)、catwalkはファッションショーでモデルが歩く細い道のことを指す。
単語ごとに説明しても転じた意味が最終的に被さっていては、本当に同一であるか全くわからない。

こういったところが論理的でない説明が非常に多い

ちなみにだが、「テーブルトークロールプレイングゲーム」は冒険企画局代表近藤功司さんがウォーロック誌で作った造語、
role-playは1949年頃から、role+playなどの用法で使われている単語である。

https://togetter.com/li/575444

https://www.etymonline.com/search?q=roleplay

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