TRPGで参考になった記述 その8

日本人は、表記に表意性やニュアンスまで求めようとする傾向がある。たとえば、なぶるの意の「嫐」を「うわなり」に転用することとなって、それは現れる。この字のように、字面や構成要素の配置からも醸し出される情報を、読み手の目に訴えかけさせようとさえするのである。会意文字と呼んで終わらせるだけでなく、その配置にも意味が与えられていることに着目することができる。それは表現主体だけでなく、受け手もある程度それに共感できるという環境があってこそと言える。

笹原宏之, 『謎の漢字 - 由来と変遷を調べてみれば』, 中央公論新社, 2017

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