地蔵プレイヤーの考えその2

地蔵プレイヤーの考えで色々述べた。

考え方としては、コンテンツの楽しみ方の変容がある。
小説、アニメ、漫画などをを読む時にどのように楽しんでいるかだ。

この違いがサンプルキャラクターの選択の際に現れる。なぜプレイヤーは「どれでもいい」と言うのか。

まず第一に、「違いがわからない」のだ。
なぜかといえば、キャラクターは勝手に動くものであり、自分が動かすものではない。そして各々のキャラクターが勝手に動くため、そのキャラクター性の難しさの差異がまったくわからない。性別、年齢、性格、その他諸々はの差異は大した差異ではなく、その差異がどの程度のものなのか想定できない。

第二に、「自分の中に物語がない、妄想力がない」ため、何も思いつかない。
高校生のPC1であっても、組織に務めるPC3であっても全て同じだ。どのようなキャラクターかわからない。正直これは、地蔵プレイヤーでなくても感じることはある。
当然我々人間は神様によって作られた存在だ。インテリジェント・デザインである。ゲーム内でロールプレイをするということは、その世界観の中でそのキャラクターがその世界観に沿った動きをするということだ。さて、あなたは進化論を信じているのだろうか。インテリジェント・デザインを否定しているだろうが、インテリジェント・デザインについて理解しようとしているだろうか。頭ごなしに否定しているのならば、上で記したような地蔵プレイヤーと同じだ。あなたは「進化論を否定しインテリジェント・デザインを信奉する」キャラクターを演じることはできない。選択肢に「進化論を否定するキャラクター」というものを最初から除外している。これと同じだ。自分が高校生のPC1ではないから、選択肢として「高校生のPC1」が候補として上がってこない。組織に努めていないから、選択肢に「組織に務めるPC3」がない。それ故に「高校生のPC1」と「組織に務めるPC3」の違いがわからないのである。

つまり「どれでもできる」のではない。自己肯定感が低いので「どれでも同程度にできない」のだ。


ということを書いてたときに、前日の「地蔵プレイヤーの考え」に関連したツイートがあった。

TRPGネタで人から聞いた話。
PL「このシナリオ名何ですか?」
GM「~といいます」
PL「すいません、シナリオ名間違えていませんか? このシナリオの攻略サイト検索しましたけど出てきません」
GM「自作シナリオなんで(ひきつった笑み)」
PL「攻略サイトでしらべられないじゃないですか!」

TRPGの攻略サイトである。

これこそ、現代ビジネスの『「映画を早送りで観る人たち」の出現が示す、恐ろしい未来』で示されている、「コンテンツを消費」しようとしている行為そのものである。TRPGも時代がここまで追いついたのだ(最近だから追いついているのかと言ったら怪しいが)。

数年前のクトゥルフブームのときは、「クトゥルフを遊んでいる」ことがステータスであった。クトゥルフであれば何でも良かったのだ。質の悪いもあったという意味を含め有象無象が産まれていった。
最初のブームが2012年からすれば10年弱経っている。動画勢と言われた人たちも数世代へているはずだ。動画から入った人が動画を作りそれが何世代もなっている。当然考え方も変わる。
最初期の、公式シナリオを動画化していた人たち(もっと食べたいとか)を見ていた人たちは、「動画で見たシナリオを遊んでみたい」から同じシナリオを求めていたのだろう。すなわち、動画で知っているシナリオを楽しみたいという欲求だ。
しかしながら、「攻略サイトを求める」のは逆だ。CRPGで周回プレイ時ではなく1周目から攻略サイトを見ながら遊ぶ、アイテムを取りこぼしたくない、無駄な道にいかず探検だけをしたい、etc、などとにかく時間を短縮してゲームのある要素だけを楽しむためにゲームをする人たちである。
トラップがあったとしてダイス目が悪くて失敗したのなら良い。乱数を用いている以上CRPGでも発生するからだ。そのリスクを減らしたい、というものあるとして、無駄なルートを踏みたくない、一見すると無駄であると思うところに面白いものがあるのならば言ってみたい、などの欲求を満たすためには、攻略サイトというものが必須である。時間を無駄にしたくないからだ。
こう考えてくると、攻略サイトを求める人にとって「自作シナリオ」というものに魅力が一切感じられない。「自作シナリオ」というのもは、GMが考えた超面白いシナリオを鑑賞する場である。しかし、「攻略サイト」を求める人達は、オフィシャル、同人、サードパーティー含め、公開されている「超面白いシナリオ」を消費したいのである。自分が面白いと思うかどうかわからないというリスクを、遊ぶ前から可能な限り減らしている。

10年20年前の、「シナリオ自作は当たり前」の時代は終わった。今や良作駄作含めシナリオが溢れかえっている。TRPGを遊びたい、ではなく、TRPGというコンテンツを消費したいという人たちの台頭が増えていくのかもしれない。


追記

攻略サイトについて、プレイヤーは「コンテンツを消費したい」と思っていると、考えている。したがって、「事前に知っておいて、無双をしたい」という旧来存在していた、和マンチとは全く異なると考える。


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