TRPGで参考になった記述 その9

ソフトの開発が進んでいくなかで、田邨さんはどのあたりから参加されたのですか。
田邨
ソフトの開発開始からしばらく経った、2016年頃のことだと思います。
私の所属するハードウェア開発部では、普段から様々なコントローラーの可能性を研究し、試作をしているのですが、ある日、「直感的に遊べる“力を使ったコントローラー”で“リング型”のものがあります」と河本に紹介したんです。たまたま、だったのですが……。
ん? それはつまり、リングコンは今回のために開発されたわけではないのですか?
河本
そうです。全く別のチームが独自の開発をしていて、ある日、そんな話が聞こえて来たんです。もう我々としては、「こんな丁度いいコントローラーが社内に!?」となりました。
とてつもない偶然ですが、田邨さんたちはどうでしたか?
田邨

当時、筋トレや新しい遊びに活用できないかとは考えていたものの、具体的な使い方は定まっていませんでした。ボタン操作など、普通のゲーム操作には標準コントローラーが一番適していますし、操作のために「力」を使うことから、「面倒くさいのでは」と思われてしまいかねない側面もありましたので。
ですから、我々もこんなにも相性の良いゲームが開発されていたことに驚きました。
ただ……そもそも、こんなに大きな「遊ぶだけで疲れるコントローラー」などという謎の代物が、なぜ開発されていたのかが不思議です(笑)。
河本

任天堂では、色々なコントローラーの試作を続けていますが、このリングコンは、その中ではわりと普通なほう……かもしれません(笑)。

開発スタッフに聞く『リングフィット アドベンチャー』
2020.9.4


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