グレムリン、グリモロチン Wayfinder Bestiary#68

グレムリン、グリモロチン GREMLIN, GRIMOLOCHIN

これは大きな家猫のように見えるが、人目につかないところでは後ろ足で歩き、主人のパイプを吸ってその灰をスープに空ける。

グリモロチン CR 3 GRIMOLOCHIN

XP 800
秩序にして悪/超小型のフェイ
イニシアチブ +3;感覚 暗視120フィート、夜目;〈知覚〉+11

防御

AC 18、接触 15、立ちすくみ 15(+3外皮、+2サイズ、+3【敏捷】)
HP 19(3d6+9)
頑健 +1、反応 +6、意志 +4
DR 5/冷たい鉄;SR 13

攻撃

移動速度 30フィート、登攀20フィート
近接 爪×2 +3(1d3)、噛みつき+3(1d3)
接敵面 2.5フィート;間合い 0フィート
特殊攻撃 飲み込み(ダメージなし、AC 11、1HP)、息盗み
擬似呪文能力(CL 10レベル;精神集中+14)
常時—スピーク・ウィズ・アニマルズ
2回/日—チャーム・アニマル(DC 15)、チャーム・モンスター(DC 18)、チャーム・パースン(DC 15)、インヴィジビリティ(DC 16)、ノック、モディファイ・メモリー(DC 18)、スリープ(DC 15)、サジェスチョン(DC 17)

一般データ

【筋】11、【敏】16、【耐】10、【知】14、【判】12、【魅】18
基本攻撃 +1;CMB +2;CMD 12
特技 《軽業移動》、《動物の友》、《素早い移動》B
技能 〈軽業〉+9、〈はったり〉+14、〈登攀〉+17、〈交渉〉+10、〈動物使い〉+10、〈威圧〉+7、〈知覚〉+11、〈騎乗〉+8、〈隠密〉+17;種族修正 +4 〈動物使い〉、+4 〈知覚〉、グリモロチンは〈登攀〉のとき【筋力】あるいは【敏捷力】修正値のどちらか高い方を使用する。
言語 アクロ語、共通語、森語
その他の特殊能力 ハグの吐き気

生態

出現環境 都市(街、農場、道沿いの宿屋、船)
編成 単体、ペア、群衆(3~6)
宝物 標準的

特殊能力

ハグの吐き気(超常)/Hag’s Puke:グリモロチンは非常に容量の大きい食堂を持っており、外向きの寸法や重量を変えることなく、最も小さいサイズのバッグ・オヴ・ホールディングと同量を保持できる。グリモロチンは通常この能力を使用して、ライバルの農場の牛やビール樽を吸収し、後で中身を吐き出すが、飲み込むのに十分なほど細いものである限りコインなどのその他の価値のある物も盗むことができる。不思議なことに、ひよこや生きた鱒でさえ、このような輸送で生存することができる。
九つの命(超常)/Nine Lives:グリモロチンには9つの命がある。殺害された場合そのフェイの精神は、少なくとも1マイル離れた別のグリモロチンとして生まれ変わり、再び痩せこけた迷子の姿となる。生前の生と死の記憶を保持しているがそのひねくれた公平感のために、以前の犠牲者が探し出して助けを与えない限り、解放される。またグリモロチンを使い魔として持っていたハグはグリモロチンの奉仕を受けるために再交渉しなければならない。
息盗み(超常)/Steal Breath:グリモロチンが犠牲者の胸に座っている場合、全ラウンド・アクションとして、行きを吸い出す事ができる。【耐久力】判定に成功しない限り、犠牲者は即座に溺れ始める(DC 10)。グリモロチンが犠牲者の行きを盗んでいるラウンド毎に、犠牲者は別の【耐久力】判定を行わなければならず、DCは最初のラウンドを超えた各ラウンドで+1ずつ増加する。グリモロチンが4ラウンド連続して犠牲者の息を吸うことに成功した場合、犠牲者は気絶状態となり、-1HPに減少し、死にかける。

 グリモロチンは邪悪で狡猾なフェイである。彼らはその地域の家猫を装っており――リノーム諸王の地ではヴァーキ族の森の猫として、イリセンではHoarwood blue、ティエン=シアでは幸運の三毛猫など――グリモロチンは最初は痩せた野良猫として現れる。農場、家庭、宿屋、店、船などの日常生活に入り込み、その場所の主人や女主人を魅了する。グリモロチンはその場所の「幸運」であるとオーナーに信じ込ませるために、ゆっくりとなめらかで太った体になっていく。変な言い方であるがこれは真実である。
 グリモロチンは小さな暴君の羨望の的で、冷酷な効率性で自分の領地を運営している。怠惰な下僕、穀潰しの息子の役立たずや、意志の強い下僕、忠実なペット、グリモロチンの魅了に何故か抵抗する家族などは、自分の運命を他に求めるように説得されたり、会談で躓いたり馬に頭を蹴られたりといった不幸な「事故」に遭う。そしてグリモロチンは見えない姿で彼らの部屋に忍び込み、胸の上に座って、行きを盗む。グリモロチンは時折ハグの使い魔の役割を果たす。そのため、他の使い魔をライバル視し、特別な憎しみを持っている。グリモロチンはそのような動物が近くの井戸に鎮めるために素早く動くことを確認するために最善を尽くす。また、使い魔が偶然の事故に遭うように仕向けるため、グリモロチンが関与する魔女団はあまり長く続かない傾向にある。
 グリモロチンは自分の領地を自分の好みに合わせて整えると、ライバルの農場、家庭、宿屋などの商売などの競争を排除することに着手する。農場では、グリモロチンは隣家の牛からミルクを水、それを女主人のツボに吐き出してしまう。宿屋の場合は、ワインやビールを同じようにして食べる。他の商売では、工夫が必要であるが、子豚や貴重な書物の山など、あらゆるものを持ち去ることが知られている、その際、ライバルのために「事故」が用意される。通常は、納屋の扉を開けたままにしていたり、日をつけたりするような単純なことであるが、盗みをカバーするには十分なものである。
 同時にグリモロチンはその提案能力を使用して、訪問者にできるかで多くの富を残すように説得し、家の女主人に豪華な贈り物をしたり、火のそばで眠る宿屋で手の混んだ宴会をしたりする。
 競合他社や顧客が破産に追い込まれると、グリモロチンは労働の成果を楽しむようになる。厩舎にいる馬のたてがみを束ねて、ヘトヘトになるまで乗り回すのが定番である。宝石を散りばめた襟や魔法のブーツなどのプレゼントを粗意味もなく与えさせるのに「主人」を説得するのも人気の1つである。ワインやクリームを吐き出さないのが3番目である。ラットやマウスを読んで宴会をさせるのが4番目。しかし、放浪するグリモロチンを招待して、自分が気づいた利益を分けてもらうほど好まれるものはない。
 最終的には元のビジネスや家庭は廃墟と化し、使用人は死ぬかいなくなり、訪問客と顧客も同じくなる。残っているのは貪欲なグリモロチンの世話をするために奔走する狂人や狂女だけである。何も残らなくなると、グリモロチンは胸の上に座って息を吸い、亡骸をご馳走にして、全く新しい都市や町に移動する。飼い主が不幸に見舞われたペットのような不運な生き物を引き取ろうとする人はほぼいないからだ。
 まれに、誰かがグリモロチンの命を救うことがある。偶然であろうと意図しているものであろうと。それは問題ではない――グリモロチンは知っているだろう。フェイのエチケットは厳しく、グリモロチンは恩を仇で返すことを嫌うが、そのような負債は返済されないことはない。グリモロチンは恩人を全力で助けようとする。この目的のためには、高徳さも悪意も犠牲にし、恩人の便宜と繁栄以外に特別な恩恵はない。この援助は、グリモロチンが恩人の命を救うまで続くが、恩人が不運にもそれ以前に死亡した場合、グリモロチンは正当な相続人に譲渡されたと考える。一部のグリモロチンは定命の者の家族に忠実に仕えてきた者もいるが、最終的に夫妻を返済した後は、自分の好みにあった宿泊施設に移ることになる。グリモロチンは愛玩用小犬のようなパグワンピ・グレムリンとは有効的なライバル関係にある、お互いの娯楽のために共謀することもある。グリモロチンはブリンク・ドッグ、cooshee elven hound、その他イヌ科の魔獣やフェイを軽蔑し、恐れており、たとえグリモロチンの本性をすぐに知らなくても、グリモロチンを嫌っている。
 嫌われている「いい子」を取り除くことができない場合――可能ならば永久的に――グリモロチンは追い払われる。
 一般的な飼い猫と同じくらいであるグリモロチンは体調1フィート(尾も同じくらい)、体重10ポンドである。色はトラ猫や三毛猫から単純な単色から2色のスプリットなど地域によって多種多様である。

By Kevin Andrew Murphy (Wayfinder #6)
Art by Crystal Frasier

@カゲシタの場


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