何がわからないのかわからない その4

プレジデントオンラインでこのような記事を見つけた

名刺交換で「ちょうだいいたします」は大間違い…ビジネスシーンで頻繁に見かける「恥ずかしい日本語4」
https://president.jp/articles/-/78377?page=1

この記事に気になる一文がある。

>ここで注意するべきは、「休まさせていただきます」という言い方はないことです。

この「ないこと」とは、「日本語の文法として存在しない」という意味なのだろうか。「ビジネスシーンでは不適切」という意味なのだろうか。

本文中には

「さ」が余分なのは、「やらさせていただきます」「読まさせていただきます」が誤りであるのと同じです。
なぜ、「さ」が余分なのかというと、五段活用の動詞は「未然形+せる」という活用のルールがあるからです。
さらに、「させ」は強い意志で相手の許可を求めているような印象を与えてしまいます。「休まさせていただきます」は、相手が許可するしないにかかわらず、自分の意志を貫こうとする印象になってしまうのです。

とあるが、結局この文章を読んでも、どっちの意味であるのかまったくわからない。

「させていただく」については、椎名美智先生の
「させていただく」大研究
「させていただく」の使い方 日本語と敬語のゆくえ
「させていただく」の語用論—人はなぜ使いたくなるのか

の三冊を読んでいただくとして、重要なのは「させていただく」は「相手に許可を求めている」という意味で文法的に適切、使い方によっては不適切、であるという意味でしかない、ということである。
そうでなければ、
「相手が許可するしないにかかわらず、自分の意志を貫こうとする印象になってしまうのです。」
は発話している人がどういう意味で発話しているかに関わらず、少なくとも聞いた人は「相手に強い意志で許可を求めている」という意味を上乗せしただけの、文法として問題はない文章であるという意味にしかとれない。

つまり、この文章ですら複数の意味に取れてしまうのである

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