モチーフにしたシナリオ

何かをモチーフにしたシナリオを作成するだろう。果たしてそのシナリオでプレイヤーは満足が行くのだろうか。もちろんシナリオの出来が良ければ、なんの問題もない。しかし、だいぶ前に書いた
「クトゥルフは現代日本が舞台のゲームである」

https://note.com/kagesita/n/ne49a1118d173?magazine_key=m7c60490c1b0d

ではプレイヤーが何を求めているか、説明からどのような印象を受けるのか、について書いた。

これについては、例がないと説明しにくいので、「オズの魔法使いをモチーフにしたクトゥルフのシナリオ」としよう。
まず、GM(この場合はシナリオ作成者と同一)は、2種に分かれる。このシナリオは「オズがモチーフである」と事前に全面的に言うか、匂わすことしか言わないかである。

後者の場合は簡単だ。プレイヤーに対して「分かっているよな、お前ら」という態度である。
さて、今回は前者の話である。
モチーフが何であるかを事前に言っているので、プレイヤーは逆に「オズをある程度知らないと楽しめない」と思うかもしれない。ここで、「オズ知識をどこまで引き下げるか」である。
シナリオは4種類に分類できる。
1.クトゥルフTRPGユーザー向け、オズを知っている人向け
2.クトゥルフTRPG初心者向け、オズを知っている人向け
3.クトゥルフTRPGユーザー向け、オズをほとんど知らない人向け
4.クトゥルフTRPG初心者向け、オズをほとんど知らない人向け

どこまで深く作っても1.に該当する人は両方がわかるので大丈夫であろう。
本来狙うべきは2か3のはずだ。
2であれば、TRPG初心者に対して懇切丁寧に説明しているのに、解説がほとんどなくオズの細かい所の用語がさぞも当然のように書いてあるものだ
3であれば、オズについてかなり詳しく説明しているのに、TRPGについて「○○判定を行う」というだけのような、ほとんど説明のないものだ。

ここで4で作ってしまうと、シナリオなら文面、セッションなら時間の大半をTRPG、オズの両者に対して説明を割かなければならない。二兎を追う者は一兎をも得ずな状態だ。

これはファーストインプレッションをどのように与えるかでもある。
3.で行うのであれば、TRPG初心者などいないため、TRPGの説明などしなくていいというモチベーションで入り、実際にTRPG初心者が居たら説明をする、というふうにした方が良い。最初から両方の説明をする体で入ってしまうと時間などないからだ。

完全な初心者相手に、インスピレーションを与えやすい何かをモチーフにすると、そのモチーフに対するものが連想される。そこへの不満も生じる可能性がある。

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