Project-A.O

小説

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コンビニ

夜の道を、ぼくは一人で歩いている。晩に食べるものが見当たらなかったから、面倒だったが、コンビニへと向かわなければならなかった。六月の生温い風が、肌を撫でている。暗闇に飲み込まれようとするかのように、ふらふらと横に揺れながら歩いていると、ぼくのすぐ横を、自転車がスピードを上げて過ぎ去っていった。自転車に乗っていたのは若い男で、すれ違いざまに、迷惑そうに軽く舌を打った音が聞こえた。そんな彼の後ろ姿を、ぼくはぼんやりと見つめることしかできない。男の身長はぼくよりもかなり高く、顔も整

    コンビニ