大人気ボードゲームKillteamでは季節の節目ごとにデータの修正やバランス調整を行います。これはデータスレートにまとめられるのですが、既存の修正内容もまとめて記される都合で何が変わったのか非常に分かりにくくなっています。(一応*で区別できるけど、・と見分けがつきづらい)本稿で一緒にデータスレートを読み解き、なんとなく理解を深めていきましょう。
本稿では記号で記された距離表記を「mv」で行います。△は1mv、○は2mv、□は3mv、⬠は6mvとなります。よろしゅうね
前回のはこちら。日本語版がなかったので自分で訳しました。
1. 何が変わったんだろう?
今回のデータスレートで手が入ったキルチームの内訳は以下のとおり。
コマンド
ベテラン・ガーズマン
ヴォイドダンサー・トルゥプ
ウィルムブレイド
ワープコヴン
ファーストーカー・キンバンド
ハイエロテック・サークル
ハースキン・サルヴェイジャー
フェルゴウル・ラヴェイジャー
ケイオスカルト
多い!
初期に実装されたキルチームの最新ルールへの適用や、キルゾーンの範囲に影響するアビリティ、いじりすぎたキルチームの調整が行われました。
あとベータ=デシマ実装の影響でコアルールも更新されました。こっちはそんな大した内容ではありません。それでは内訳をチェックしましょう。
なお、エラッタやデザイナーズコメンタリーも多くのキルチームでリリースしました。該当するキルチームをお持ちの方はご確認ください。
該当キルチームは以下の通り。
ヴォイドダンサー・トルゥプ
ハンド・オヴ・アーコン
パスファインダー
ノヴィシエイト
コマンド
インクィジトリアル・エージェント
ハイエロテック・サークル
フェルゴウル・ラヴェイジャー
ケイオスカルト
ブラッディッド
だから多いって!
コアルール
ベータ=デシマはジャンプ移動を多用するキルゾーンデザインをしているので、判定を失敗すると遮蔽のない空間で虚無になることがありました。もう心配はご無用です。
キルゾーン:ベータ=デシマ
公式からキルゾーンルールのpdfが配布されています。
まずベータ=デシマpdfの3ページ目の「射線への制限」を確認してください。
pdfのこの文は誤訳で、Obscured(射線妨害)を「遮蔽されているもの」としています。正しく再翻訳すると、
となり、この文がデータスレートで
こうなったわけです。
この調整は射線妨害を看破するアビリティをもつキルチームに有利すぎたためです。射撃を行うには曲がり角まで近づく必要があります。
おまけ: コアルール改訂(1.9)
コアルールも改訂が入り1.9に更新されました。調整されたのは1箇所だけなのでここでついでにやっちゃいます。
前回(1.8)、閉鎖空間まわりで同様のルールが追加されました。該当箇所は下の記事の「閉鎖空間追加ルール」をご確認ください。
「閉鎖空間追加ルール」の最後に追加文がつきました。
先に指摘すると、用語を誤っています。正しくは以下の通り。
とはいえ、この誤訳はやむをえない気がします。
前も書いたかもしれないけど、Killteam原文の用語は「Order」の用途が多すぎるんです。特務兵の行動命令も特務兵の態勢もこの語で済ませるので、文意が不透明になりがち。
日本語版はちゃんと用語を分けててえらいと思いますよホンマ。
閑話休題。閉鎖空間でバトル開始前に移動する系の特殊戦術は、隠密態勢になる必要があるのでグイグイ先へ行って突撃などができないようになりました。ルールの穴をふさいだんやね。以上じゃ
コマンド
ボムスクイッグに調整が入り、突撃→射撃(自爆)ができるようになりました。基本的にはナーフですが、突撃で8mv動けるのでそう悪くない気もします。これまで通りオブジェクトに絡んできた奴を吹っ飛ばしたり、牽制にご活用ください。
対象は装備品のチョッパだけなので、あまり影響はないです。コマンド・ボゥイ追加採用の機運が高まっている気がします。
デカいナーフだぜ。けどクリティカルのダメージを無効化できるのでまだそれなりに有用だ。
ベテラン・ガーズマン
他のキルチームの同様のアクションと同じ効果を得られるようになりました。よかったね!(当たり前っちゃ当たり前やね。なあハンタークレイド)
地雷に大きなナーフです。とはいえ「重遮蔽物が全体に介在している特務兵」はあまり存在しない状況なので実質的に攻撃範囲のナーフとなります。まあほぼ自爆確定みたいな範囲だったし……
実はこれまで何回でも使用できたらしいです。んなアホな……というわけで回数制限がつきます。当然だよね
ヴォイドダンサー・トルゥプ
ベータ=デシマと相性が良すぎたのでナーフされました。それでも十分に強いけどね
ウィルムブレイド
前回のデータスレートから何が変わったのか分かりづらいけど、原文だと上で太字にした「敵特務兵」からeveryが取れました。発動条件はこれまで通りなのであまり気にしなくてええです。
(正確を期すると、これまでは「一部の敵特務兵から視認されていなければ能力を発動できる」ともとれる文でした。これはゲームデザイナーの想定するものではなかったため、その旨の修正です)
ワープコヴン
インターセッサーキルチームと同等の能力を得ました。注意点として、特殊戦略を発動しなければならないのは同じため、これにより敵チームが何らかの能力を発動してしまうかもしれません。とはいえ、ガンナー以外存在価値なしとまで言われたルブリックマリーンが活躍できる下地ができました。
ソーサラーの範囲がクソでかくなりました。とはいえ個人的には、ソーサラーがキルゾーン内に存在していれば行動力上限を与えてもええ気がします。(特に艦内戦闘)
タフになりました。つぁーん(鳴き声)
行動後の敵特務兵にもデバフをかけられるようになりました。便利!
ナーフですが、依然としてダッシュに影響するので厄介かもしれません。
これまではバトル中1回だけだったのでかなり強化されました。やったね
ファーストーカー・キンバンド
白兵能力強化感謝祭です。これでまともに殴り合えるぞ!
ナーフですが、奇数体を編入することをためらわなくてよくなったとも言えます。
発動条件が緩和されました。2ターニングポイント目に出してもよさそうです。
ハイエロテック・サークル
機体再生プロトコルがコンペンディウムと同様のプロセスになりました。機体再生トークンの3mvまで動かせるのもうれしい。
あまりにも多用されすぎたのでそれなりの性能にナーフされました。とはいえ十分な効果です。
おそろしいバフです。事実上テクノマンサーは単独でも全てのクリプテック・アビリティを使えるようになりました。まあこれこそアプレンテックに肩代わりさせたい気もするけど
微妙だったアビリティにバフ。原文もチェックしたけど、higher than~だったので出目が行動力上限値を上回る必要があります。
めちゃくちゃ動けるようになります。クリプテックのアビリティをキルゾーン中に展開しよう
ハースキン・サルヴェイジャー
ナックル強打で殴り倒した後、更に突撃を行うことができます。最初の白兵戦で倒し切れなかった場合は3mv突撃が行えないので注意です。
強力なバフです。敵に機先を取られる心配がほぼなくなりました。移動されないと言うだけで、初期配置を変える特殊戦術には対応できませんh
悪くないバフだけど、戦闘態勢とみなすところまで強化してほしさもあります。そうなると強すぎるので塩梅が難しいところです。
ちょっと発動条件が厳しくなりました。とはいえビーストマンは近づいてナンボなのであまり気にならないかもしれません。
不屈の打撃でグレネードをブン投げる事態が多発したので、ナーフを行いました。くそっ、パンチするしかないな……
凶悪装備、ついにナーフ!それでも5体には装備できるし、驚異度は変わりません。
まあ当然っちゃ当然な気もしますネ
ケイオスカルト
移動力に関する修正を無効化する能力を失いました。コレのせいで変異パターンが固定化されたまであるので、良い調整だと思います。
一般カルト構成員クビのお知らせ、この辺の調整は実際難しいので、また人事異動があるかもしれません。
2. ふわふわした総評
おおむね納得のいく調整だったと思います。特にワープコヴンへの大バフが今後の環境にどう影響するかが気になるところです。GWでもシーズン3からはKillteamは開発に関わるメンバーが増えたらしく、この調子でどんどん追加キルチームをリリースしてほしいものです。たのんだぜ。わしは次のKillteam会に備えます。またネ!