読書メモ「デジタル・ミニマリスト」
仕事をしよう、あるいは勉強をしようと思っていたのに、ついスマホでSNSをチェックしていた。
調べものをするためにスマホを使おうと思っていたのに、ネットサーフィンしていた。
そんなことが続いて、自己嫌悪に陥ったことはありませんか?
なんて自分は意志が弱いんだ。
あの時間を勉強に集中していたら……
いや、それは違います。あなたのせいではないのです。どうしようもないのです。
あなたの意志が弱いわけではないのです。
企業は、承認欲求などを利用して、私たちをスマホやタブレット上に留めようとします。そのために、アプリやウエブサイトには、莫大な資金が投じられています。
テクノ依存により私たちの主体性がおびやかされている、人間らしい部分が攻略されている。
「魂を乗っ取られるな」
そう著者はいっています。そして、デジタル・ミニマリストになることで主体性を取り戻そうといっているのです。
デジタル・ミニマリストの哲学
まず初めに、デジタル・ミニマリストって何?という説明がされています。
「自分が重きを置いていることがらにプラスになるか否かを基準に厳選した一握りのツールの最適化を図り、オンラインで費やす時間をそれだけに集中して、他のものは惜しまず手放すようなテクノロジー利用の哲学」
デジタルミニマリズムの三原則
① あればあるほどコストがかかる
もっとも価値ある資産は時間。アプリやサービスが約束する小さな利益に屈すると時間コストに鈍感になる。
② 最適化が成功のカギ
新しいテクノロジーを取捨選択して活用できるツールとして捉えるようになれば、真のメリットが手に入る。
③ 自覚的であることが充実感につながる
デジタル片づけ実践編
それでは実際にツールの最適化をするにはどうすればよいか。
デジタル片づけの方法を、具体的な事例の紹介とともに説明されています。
ポイントは短期決戦で、3ステップで行います。
ステップ①テクノロジー利用のルールを決める
ステップ②30日間、①のルールに従って、テクノロジー利用を休止する
ステップ③テクノロジーを再導入する
孤独についての考察
デジタル片づけだけでなく、主体性を取り戻すためには、孤独について考えることが必要になってきます。孤独について考えることが、後半の内容を理解するために重要になります。
ここでいう孤独とは
「自分の思考が他者の思考のインプットから切り離された意識の状態」を指します。他者の思考には読書も含まれます。
孤独がなぜ重要かというと、内省から生まれる洞察と感情のバランスに関係しているからです。
著者が提案する重要ポイント
一人きりで考える時間と、他者とつながる時間を日常の中で行き来すること。
孤独の欠乏を避けるには定期的にスマホから離れて過ごすこと。
他者の思考のインプットから解放された状態を孤独ということを忘れないように。
散歩は自分と対話する最良の時間である。
著者:カル・ニューポート
「デジタル片づけ」メソッドの詳細は、ぜひ本書を読んで、実行してもらえたらと思います。