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[2023年5月]フリーランス活動報告と制作したMVの裏話 2年と10ヶ月目

こんにちは!イラストレーター兼動画クリエイターの無印かげひと(@kage86kagen)です。

今月も終わりですので、「今月の活動内容」と「制作に携わったMVのうち、今月公開されたMVの制作の裏側のお話」をいつも通りしていこうと思います。

※なお、お取引き先との調整内容に関する事は一切表記していません。「MVのここをこうした理由は…」や「ここはペイントソフトでこうして…」、「ここは実は○○がリファレンスで…」などといった内容をお話します。

では、さっそく振り返っていきましょう!


今月の活動内容

今月も毎日MVばっかり制作していました。 い つ も の。
今月はとても嬉しい事に、4月下旬~5月上旬にかけて依頼の相談を一気に頂くことが出来たため、うっひゃ~(嬉)って言いながらガシガシMVを制作していました。
でも実は、この時期は仕事をちょっとセーブしようかと考えていたんです。

なぜかというと、今月の5月12日にあのビッグタイトル「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」が発売される(された)からです!
私は昔っからのゼル伝エンジョイユーザーで、ガチ勢まではいかないものの、ゼル伝のゲームが発売されたら必ず買ってプレイするほどです。
ハイラルの歴史も大筋だけですが把握しています。(時オカから分岐点があってそこから時系列が3つほど分かれている事とか…)

もちろん、ティアキンも発売と同時に即購入してプレイしたのですが、ティアキンほんっっと面白い!このティアキンに集中して遊ぶために仕事をセーブしようかと思ったのが理由ですが、「でもMVもたくさん作りたい!!!」という譲れない願望もあったので、結果的に5月12日以降のスケジュールが割とぎっちぎちに(笑)

仕事やら趣味やらで忙しかったのですが、発売から2週間後あたりにラスボスを倒し、ストーリー自体はクリアすることができたので、来月からはゆっくりハイラルを探索して、じっくりコンプを目指していこうかなと思っています。

ところで、前作のブレワイは世間からの評判がものすごいものでした。今現在も不動の評価を得ていますが、いつだったかゴールデン帯のテレビ番組で「神ゲームランキング」というのをやっていたそうで、そこでなんとブレワイが1位を獲得するぐらいです。FFXなどの名作神ゲー達を押さえて...。

そうなってくると、今作のティアキンの「期待のハードル」も桁違いに上がることになります。ゲームタイトルの正式な続編が発売されるとなった時、大抵はプレイした後に「うーん、やっぱり前作が面白かったな…」という感想が出る事確率が多くなるのが世の理だと思われますが、ところがどっこい、ティアキンは前作のブレワイを超えるぐらいとても面白いゲームになっています!

ティアキンは前作をプレイしていなくても楽しめるように、ストーリーの補足やシステム面において丁寧に配慮されていましたので、これを機会に未プレイの方にはぜひ体験して欲しいです!きっと新しい世界を見る事が出来ると思います!

あれ?ティアキンの宣伝になっちゃいましたね。

今月投稿されたMVの裏話

※今月投稿していた事に気づいたMVも紹介しています。

春泥棒 (cover) / 狛江撫子

こちらは狛江撫子さんによる歌ってみた楽曲「春泥棒 (cover) / 狛江撫子」になります。こちらのMV制作を担当しました。
イラストは柏ユツカさんになります。

綺麗で透明感を感じるお声で歌われているのですが、儚くて美しい世界観となっており、魅了されてしまいました。この歌ってみたのおかげで、また新しい狛江さんを垣間見ることが出来たような気がします...!

今回もMV制作として携わらせて頂きましたが、今回は本家のMVへのリスペクトの意味を込めて、演出や動きに関してオマージュした部分がいくつかあります。

これに加えて、MV全編に渡って「ノンストップ」のカメラワークを試みてみました。どういうことかというと、動画内にて「カット(画面をぶつ切りにして違う動画を繋げるような感じ。ほとんどのMVで見られる編集。例えると「切り抜き動画」みたいな編集)」はほとんど使用しなかった…ということです。

動画編集ソフト内には「3Dカメラ」という機能が存在するのですが、このレイヤーを0秒から最後までずっとだしっぱ&レイヤーカット無しで編集しました。イラスト系MVではあんまり見かけない表現方法ですが、こういった演出も斬新でなかなか面白いのではないでしょうか?

リアル世界でビデオカメラをずっと回し続けている…というような感覚を体験できるかもしれませんね。


ゼロ re something

こちらはMOONBERRY-RIDERSさんの楽曲「ゼロ re something」になります。こちらのイラスト&MV制作を担当しました。

ジャズバーで演奏を聞いているような、オシャレ&カッコいい気分を味わえる楽曲となっています。MVの構成については全てお任せ頂けたので、その楽曲に合わせたイラストやMVの展開を考えてみました。

夜空に浮かぶ「星」はAE内の「フラクタルノイズ」を調整して配置し、これにプラスでフラクタルノイズ内の数値「乱気流」のキーフレームを打ったことによって、星が横に流れるような演出を表現してみました。

ここ数ヶ月は自分の中で「フラクタルノイズの乱気流ブーム」が来ているのか、こういった自然系統の表現を演出する際には、この乱気流の数値を調整している事がほとんどになっています。

星以外にも水や雲の流れを表現するのにもってこいの機能ですね。AE使いの方にはおススメしたい機能です。

約束

こちらはMOONBERRY-RIDERSさんの楽曲「約束」になります。こちらのイラスト&MV制作を担当しました。

先ほどの「ゼロ re something」とはまた違った雰囲気の楽曲となり、特に冒頭のギターのシャカシャカ音がとても心地よいです。(私は音楽に関しては超ド素人なので、ギターの”シャカシャカ音”っていう表現が適切かどうか不安ですが…)

こちらのMVについても、背景の自然(今回はうろこ雲や海のモーション)や女性のシルエットにアニメーションをつけたりなど、オシャレさを意識した演出を表現しました。

曲が進むにつれて日が暮れていく表現も見ていて楽しいかと思われます。ぜひご視聴ください!


愛の唄 feat. 初音ミク

こちらは72さんの楽曲「愛の唄 feat. 初音ミク」になります。こちらのアニメーション&MV制作を担当しました。

初見で聞くとファンシーで幻想的な印象を抱くのですが、「恋人関係の解消、別れ」の情景が思い浮かぶような歌詞となっており、それも相まって何かしら心を動かされるような素敵な楽曲となっています。

これをなんとかMVとして表現できないかな…と考えた結果、人物アニメーションはファンシーな絵柄で制作し(80年代頃に流行ったようなお目目キラキラのファンシーな絵柄イラストを意識)、背景は「綺麗な万華鏡」だったり「都会のスクランブル交差点」という少しハードな内容をいれて現実味を持たせたり、ハートを半分に割ってみたりなど、様々な表現を取り入れてみました。

方向性が違う素材を複数入れるとMVとしてまとまりが無くなってしまう恐れがあるのですが、「ファンシーさ」を主軸にして、全体的な色味をファンシーになるように統一させることによって、まとまりのあるMVができたんじゃないかなと考えています。


ホントノキミ feat. 初音ミク

こちらは72さんの楽曲「ホントノキミ feat. 初音ミク」になります。こちらのイラスト&MV制作を担当しました。

サビの盛り上がりが幻想的で美しく、歌詞として綴られている言葉も印象に残る内容となっています。

MVを制作するにあたり、72さんからこの楽曲を制作した背景をお聞きすることができたのですが、それを踏まえて「人物が終始うわの空な様子で、時が過ぎるのをひたすら見送っている...。」というような構成を考案してみました。

窓の光の経過(太陽の傾き具合)はAE内で編集していますが、それと同時に部屋の中の色合いについてもこの太陽光に合わせて徐々に変化していく演出を入れてみました。
日常生活ではあまり意識することがないひと時かと思われますが、時間帯によって部屋の中の色合いが変わる事象は、とても綺麗で美しいですよね。

別案では「部屋の中の色合いは変わらない(転じて、部屋の中の時を変化させない、変わらない)」という表現方法も考えていましたが、最終的に先ほどの表現にすることにしました。


MAKE UP "HENGE" / 双極スペクトラム

こちらは双極スペクトラムさんの楽曲「MAKE UP "HENGE"」になります。こちらのMV制作を担当しました。

すごくノリノリになれるような楽曲ですので、目で見てもノリノリになれるような映像演出を目指しました。

サビ部分では、イラストの女の子がリズムに乗って上下に動いている演出を入れていますが、私の場合、こういったリズムに合わせて動く表現はほぼほぼAEのプラグインの力を借りて編集をしています。

どういう仕組みで編集するのかというと、
①楽曲のBPMを測定する
②その数値を専用のプラグインに入力する
③そのBPMの数値に合わせて、タイムライン上にキーフレームを打ってくれる
…という感じでリズムを取っています。「BPMの数値でキーフレームを打ってくれる」という超優れものプラグインを制作した方は、ほんとマジ神です...。

ただし、BPMによっては動画のフレームレートと公約数が合わず、どうしても途中でズレていく事は避けられません。そういった場合はプラグインのBPMのキーフレームにとらわれることなく、自分自身で微調整していくしかありません。

※すごく蛇足ですが、たまに先ほどのように「リズムに合わせて○○を動かして」という要望を頂き反映させるものの、「楽曲に合っていないから合わせるように善処して」…なんて言われる事があります。
ですが、そもそも楽曲のBPMと動画のフレームレート数の公約数が合う確率が割と低いですし(楽曲を制作した後にMVの依頼をすることがほとんどですし)、リズムを意識してMVを展開してほしい事を前提に依頼されるのであれば、楽曲のBPMを調整して頂くしかありません。(BPMとは違い、動画のフレームレート数には一般的な基準が設けられています)

そのため、意図せずにリズムが徐々にズレる現象については、多少のズレはご容赦頂くしかありませんので、予めご了承ください…。

※イラスト・アニメーション・モーショングラフィックス系MVでよく使用されるフレームレート数は24fps、次いで60fps、30fps、12fpsで動画編集される方がほとんど。これ以外の数値で動画編集を行う方はほとんどいないと思われる。
そのため、この数値とBPMの公約数が合致していない限り、リズムは半永久的には合わせられない)

…ということですので、脱線しましたが、リズム重視のMV表現を要望される方は、頭の片隅に置いてもらえると嬉しいです。


Lu-58

こちらはつっくさんの楽曲「Lu-58」になります。こちらのアニメーション&MV制作を担当しました。

スローテンポなメロディーが心地よく、とても素敵な楽曲となっています。チルアウトしたい時にこの楽曲を聴くと、いいリラックス効果が出そうです...!

画面右側の女の子の髪の毛とパーカー紐にアニメーションをつけていますが、今回の楽曲の雰囲気に合わせ、髪の毛などの揺れ動く可動範囲といいますか、これを小さめにするよう意識して制作しています。

アニメーションを制作しようとなると、アニメーション制作初心者の方ほど「動きが激しければ激しいほどかっこよくなるっしょ!」と思う方が多いかもしれませんが、内容によっては逆にカッコ悪くなったり、雰囲気が全然合わなくなる場合があります。

例えば、今回のスローテンポな楽曲に対して髪の毛の動きが「まるで高台から落下している時のような、髪がぐちゃぐちゃになるぐらいアニメーションとして動かす」作り方をする方は、あまり適切とは言えないかと思います。

「自分の絵柄、表現を第一優先として活動しているぜ」という作家系クリエイターならまだしも、相手の依頼内容に合わせて作品を作る商業性クリエイターに関しては、気を付けていきたい事柄ですね。


まとめ

いかがだったでしょうか?
今月は7件のMVがお披露目されることとなりました。

来月6月と言えば、会社員は「ボーナス」がもらえる月ですね...。
フリーランスに転身した身からすれば、もはやボーナスと言う言葉が懐かしく感じるほどですが、私もボーナスと言える収入額がもらえるよう、来月もより精力的に頑張っていきたいと思います。

最後までご覧頂きありがとうございました!

それでは!



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