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「時の旅人」

胸の扉を開ければいつでも

懐かしいあの日の風が

この頬をくすぐるだろう

なくしたものは

見つからないままでもいい

探さなくてもいい

いつかなくした意味を

知る日が来るから

花びらのいちまいを手にとって

手のひらに乗せてみれば

季節が巡ってることを

知るでしょう

このまちを流れる川は

おだやかに せせらぐ

あなたがそうであったように

私もまた ゆっくり

歩くように 残された

かけがえのない時間を

旅するように生きたい

ともすれば私は時の旅人

いつか時間からも置いていかれて

いかんともしがたい

志半ばで 折れる日には

若い誰かに夢をたくして眠る

命の限りに 生きた

証を ここに残して

その時には 惜しまずに

最後の時を むかえる

あなたも私と同じ時を旅する人

誰かがそう呼んだわけもなく時の旅人。

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