2018年1月の記事一覧
写真批評 〜サシイロ6 愛=理解×誤解
写真は一瞬を切り取ったものはずだが、それを長い時間見ていると、不思議な感覚に陥ることがある。
ダイアン・アーバスは、そういう写真家だ。
冒頭の写真は、ダイアン・アーバスの有名な双子という写真だ。
この写真は、パッと見ると2人が全く同じように感じる。服装や髪型がそっくりだからだ。
全く同じものを並べられると、正直違和感を覚える。現実にはあまり目にしない奇妙な世界。私たちは何がその違和感の原因なのか
写真批評 サシイロ 5 〜ここに存在することの希少性
現在パリでアーヴィング・ペン展が開かれていると聞いた。
アーヴィング・ペンといえば、雑誌VOGUEの表紙を飾ってきたポートレート写真家として有名である。彼は主に白黒写真によるポートレート写真を好んで撮ったが、モノクロームにすることで、被写体の人物が日常という枠から解放され、普段見せたことのない被写体の一面を抉り出している。そんな気がする。
ファッション誌なのだから、洋服の宣伝のためにはカラーでなけ
写真批評 サシイロ 4 〜コラージュという手法
皆さんは、コラージュアプリを使ったことはあるだろうか。インスタ栄えを意識して様々な写真加工アプリが出ているが、それらはだいたいが写真を可愛くデコレーションするもので、あくまでも元々の写真の原型からは離れない。つまり、芸術作品にまで昇華させるものではないのである。
そもそもコラージュとは、Wikipediaから引用すると、芸術的な創作技法の1つで、フランス語の糊付けを意味する単語が語源だという。異
写真批評 サシイロ 3 〜決定的瞬間の意味
写真の特性の1つに、ある一瞬を永遠に変えるということがある。それはある種の魔法のようにも思える不思議な世界観を創り出す。
これが写真が創作活動と位置付けられる理由だ。
永遠の絵とするにふさわしい一瞬とはどのようなものだろう。それは「決定的瞬間」と呼ばれることがある。こう呼んだのは、アンリ・カルティエ・ブレッソンだ。引用した写真は、彼の「瞬間の記憶」だ。
この写真は、この一瞬前でも後でもダメで、