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外国人が印章(印鑑)を持っていないとき(とサインの雑感)

国によっては印鑑登録制度がなく、契約などの際にサインを使う国は多くあります。

日本はデジタル化の流れから押印廃止の方向に動いていますが、行政手続きは規則などの改正も必要であったり、ビジネスでも慣例的に使われている状況ですから、完全に廃止されるのはもう少し先のような気がします。

ところで、印鑑制度のない外国人が日本で押印が必要な場面でどのようにすべきかについて、古くからある法律として「外国人ノ署名押印及無資力証明ニ関スル法律」があり、以下のように規定されています。

第一条 法令ノ規定ニ依リ署名、捺印スヘキ場合ニ於テハ外国人ハ署名スルヲ以テ足ル
② 捺印ノミヲ為スヘキ場合ニ於テハ外国人ハ署名ヲ以テ捺印ニ代フルコトヲ得

これにより、外国人は、法令に基づいて署名及び捺印(押印)をすべき場合は署名のみでよく、また、捺印(押印)のみすべき場合は署名で足りることになります。

ただし、印鑑制度が存在する国もあり、行政手続きのあらゆる場面で通用するとは言い切れないため、署名のみで良いかは適宜確認する方が安心でしょう。


ちなみに、デジタル化の中で押印の機会が減る一方、オンライン上での契約締結や、本人の意思確認・保全の手段としてのサインの機会がこれから増えるのではないかと見ており、最近、知人のカリグラフィーのデザイナーの方に私のサインをデザインしていただきました。

主にビジネス用途で利用する目的なので、芸能人の方のデザイン性の強いサインとは異なります。氏名の文字の可読性も保ちつつ、デザイナーの方の個性を活かして作成していただいたので、他にはない一生もののデザインとなり、非常に気に入っています。

もともと字が綺麗ではない私にとって、クレジットカードの利用などの際のサインは正直恥ずかしい場面でしたが、お陰様でサインをするのがちょっとした楽しみになりました。

日本にも「花押」という文化もみられたようですし、自分だけのサインを作ることはビジネスパーソンの一つの「たしなみ」としてもおすすめします。

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