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金属と酸との反応

水素H2よりイオン化傾向の大きい金属は、一般に塩酸や希硫酸などの酸の水溶液中の水素イオンH+ と反応し、水素を発生します。例えば、塩酸に鉄を入れると水素を発生します。

 Fe+ 2HCl → FeCl2 + H2

同様に、塩酸にマグネシウム、塩酸に亜鉛などの組み合わせも水素が発生します。

一方、水素H2よりイオン化傾向の小さい Cu や Hg、 Ag は、一般に塩酸や希硫酸とは反応しません。しかし、硝酸や熱濃硫酸のような酸化力の強い酸とは反応します。

 希硝酸:3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 4H2O + 2NO

 濃硝酸:Cu + 4HNO3 → Cu(NO3)2 + 2H2O + 2NO2

 熱濃硫酸:Cu + 2H2SO4 → CuSO4 + 2H2O + SO2

このとき、水素H2 は発生せず、希硝酸では一酸化窒素NO、濃硝酸では二酸化窒素NO2、熱濃硫酸では二酸化硫黄SO2が発生します。

さらにイオン化傾向の小さい白金Pt や金Auは硝酸や熱濃硫酸でも酸化されませんが、より強力な酸化力をもつ王水には酸化されて溶けます王水は、濃硝酸と濃塩酸を1:3で混合した溶液です。

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