物質の分離法
■分離とは
混合物を純物質に分ける操作を『分離』といいます。
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混合物は純物質が混じり合ったものです。代表例に、空気、海水、石油などがあります。空気は主に窒素と酸素などです。海水は水と塩化ナトリウムなどです。
純物質は単体と化合物に分けられます。
■単体・・・1種類の元素。例)H2、Fe
■化合物・・・2種類以上の元素。例)NaCl、H2O
〇ろ過
液体中の不溶性物質をろ紙などを用いて分ける。
例)酸化銅(Ⅱ)の混合した水をろ紙上に注ぎ、酸化銅(Ⅱ)だけをろ紙に残す。
「粒の大きさ」がポイントです。
〇蒸留
固体が溶けている溶液を沸騰させて、生じる蒸気を冷やして液体を分ける。
例)赤ワインは水とエタノールの混合物。沸点は、水100℃、エタノール78℃で、エタノールだけを先に取り出す
「沸点」が、分けるポイントになります。
〇再結晶
少量の不純物を含む固体を熱水に溶かし、冷却して結晶を分ける。
例)硝酸カリウムと不純物の硫酸銅(Ⅱ)五水和物について、硝酸カリウムの結晶だけを取り出す。
分けるポイントは「溶解度の差の大きさ」です。
〇抽出
混合物に適当な液体を加え、特定の物質を分ける。
例)分液ろうとを使う。ヨウ素とヨウ化カリウムの混合溶液に、ヘキサンと加える。ヨウ素は水よりヘキサンに溶けやすいので、ヨウ素がヘキサンに溶け込む。上層のヘキサンを取り出し、ヨウ素を分ける。
分けるポイントは「特定の溶媒に対する溶解度」です。
〇昇華法
固体の混合物を加熱し、昇華で生じる気体を冷やして再び固体として分ける。
例)ヨウ素と砂の混合物を入れた容器を加熱すると、ヨウ素は昇華して気体になる。冷水を入れた容器の表面で冷やされ、固体となって付着して分けられる。
分けるポイントは「昇華しやすさ」です。
〇クロマトグラフィー
種々の成分を含む混合物を、適当な溶媒とともにろ紙やシリカゲルの中を移動させると、各成分が少しずつ分かれていく。これは、成分によってろ紙などに吸着する力が違うことなどで、移動速度にちがいが生じるためである。
分けるポイントは「ろ紙などへの吸着力」です。
■分離まとめ
・混合物を純物質に分ける操作を『分離』といいます。
・分離には、ろ過、蒸留、再結晶、抽出、昇華法、クロマトグラフィーなどの方法があります。それぞれについて「分けるポイント」をよくおさえておく。
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