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中和点のpHと塩の水溶液の性質

中和する酸と塩基の組み合わせによって、中和点のpHは異なります。それは、中和で生じる塩の水溶液の性質によるものです。ポイントは、強い方の性質が残ることです。

ふつう、強酸と強塩基の中和では、生じる塩の水溶液はほぼ中性です。だから、中和点のpHは7付近です。塩酸HClと水酸化ナトリウムNaOHで生じる塩化ナトリウムNaClは中性です。塩酸は強酸で、水酸化ナトリウムは強塩基です。

ところが、強酸と弱塩基の中和では、中和点付近のpH変化は酸性側に偏っています。それは、生じる塩の水溶液が弱酸性を示すからです。塩酸HClとアンモニアNH3で生じる塩化アンモニウムNH4Clは弱酸性です。塩酸は強酸で、アンモニアは弱塩基です。

また、弱酸と強塩基の中和では、中和点付近のpH変化は塩基性側に偏っています。生じる塩の水溶液が弱塩基性を示すためです。酢酸CH3COOHと水酸化ナトリウムNaOHで生じる酢酸ナトリウムCH3COONaは弱塩基性です。酢酸は弱酸で、水酸化ナトリウムは強塩基です。

難しく考えずに、強い方の性質が残り、pHに影響すると捉えましょう。

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