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粒子の熱運動

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粒子をミクロでみると、並進、振動、回転しているといえます。

一方、マクロでみると、粒子は拡散しているといえます。物質の構成粒子が自然に散らばっていく現象を拡散といいます。拡散のイメージは「水性インク1滴を水に落として、水中にインクの色が自然に広がっていく様子」です。例えば、赤褐色の臭素が広がっていく様子があります。


気体の臭素と窒素窒素をそれぞれ別の瓶に入れます。2つの瓶の口にガラス板を挟んで重ねます。ガラス板を静かに引き抜くと、窒素と臭素は徐々に混じり合い、やがて均一な混合気体になります。臭素は赤褐色、窒素は無色です。混合気体になった後は、全体がうすい赤褐色になります。


熱運動

粒子が不規則に運動していることを「熱運動」といいます。

高温になるほど、粒子の持つエネルギーは大きくなります。エネルギーが大きくなると、粒子の熱運動は活発になります。

ただし同じ温度でも、すべての粒子が同じ速さで運動しているわけではありません。これをグラフに表したものを「マクスウェル、ボルツマン分布」といいます。

「マクスウェル、ボルツマン分布」を見ると、温度が高くなると、分布曲線が全体的に高エネルギー側へ移っています。これは、高温ほど速さの平均値は大きくなっていることを示しています。曲線のピークが右側へずれることと、高エネルギー側のすそ野が広がっています。


続いて、高温になると反応速度が急激に大きくなることについて原因を考えてみます。

高温になると粒子どうしの衝突回数が増えるため、反応速度が急激に大きくなります。また、高温になると、活性化エネルギー以上の運動エネルギーをもつ分子の割合が大きくなることも考えられます。


拡散は粒子の熱運動によって起こる現象です。例えば、粒子の熱運動が活発になるため、短い時間で全体がよく混ざります。これを全体が均一になったといいます。


絶対温度

T = 273+  t

絶対温度T 、セルシウス温度 t で表す。


普段私たちが使っている温度は、セルシウス温度℃と呼ばれているものです。絶対温度は、このセルシウス温度に273を足したものです。単位にはケルビンを使います。

粒子の熱運動は、温度が低くなると徐々に穏やかになります。− 273℃になると、すべての粒子が熱運動をしなくなります。この− 273℃を絶対零度といいます。これより低い温度は無いとされています。


まとめ

〇物質の構成粒子が自然に散らばっていく現象を拡散といいます。

〇高温になるほど、粒子の持つエネルギーは大きくなります。エネルギーが大きくなると、粒子の熱運動は活発になります。

− 273℃を絶対零度という。T = 273+  t  で表す。


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