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酸化剤・還元剤の強さ【改】

 ある物質が酸化剤か還元剤のどちらとしてはたらくかは、反応する相手の物質によって変わることがあります。それを酸化剤・還元剤の強さとよんでいます。

 基本をおさらいしましょう。

〇酸化剤は相手より還元されやすい物質

〇還元剤は相手より酸化されやすい物質

 酸化剤、還元剤の強弱は、実験結果でわかることがあります。

 例えば、臭化カリウムKBr水溶液に塩素Cl2を吹きかけると臭素Br2ができます。Br2は赤褐色のため、水溶液は無色から赤褐色に変わります。

 酸化数の変化をそれぞれ調べると、Brはー1から0、Clは0からー1です。Brは酸化数が増えたため、相手を還元したことになり、Clは酸化数が減ったため、相手を酸化したことになります。

 すなわち、Cl2が臭化物イオンBr-を酸化したことになります。このとき、Cl2の酸化力がBr2よりも強いと言います。

 次の反応も見てみましょう。

 酸化数の変化をそれぞれ調べると、Iはー1から0、Brは0からー1です。Iは酸化数が増えたため、相手を還元したことになり、Brは酸化数が減ったためのため、相手を酸化したことになります。

 すなわち、Br2がヨウ物イオンI-を酸化したことになります。このとき、Br2の酸化力がI2よりも強いと言います。

 以上より、次のようにまとめられます。

 これまでのCl2、Br2、I2は、17族元素のハロゲンとよばれるグループです。ハロゲンの酸化力の強さ、すなわち酸化剤の強さは、I2、Br2、Cl2、F2の順に強くなります。F2が酸化剤として最も強いです。

 これは、原子半径の小さいFの方が、原子半径の大きいFに比べて、核の正電荷が最外殻電子に強く働き、他から電子を取りこむ力が強くなるためと考えられます。

まとめ

・ある物質が酸化剤か還元剤のどちらとしてはたらくかは、反応する相手の物質によって変わる

酸化剤・還元剤の強さという。

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