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弱酸の遊離

酢酸ナトリウム水溶液に塩酸を加えると、酢酸が生じます。これは弱酸の遊離といいます。

酢酸ナトリウムCH3COONaは塩であり、塩酸は強酸です。塩も強酸も、水溶液中で完全に電離しています。酢酸ナトリウムから電離したCH3COO-は、もともと電離度が小さいです。よって、酢酸イオンCH3COO-はH+を受け取り、酢酸分子CH3COOHに戻りやすいです。

このように、弱酸の塩に強酸を加えると、弱酸と強酸の塩を生じます。酢酸は弱酸です。強酸が弱酸を追い出しているように見えるため、弱酸の遊離といいます

 CH3COONa + HCl → CH3COOH + NaCl

弱塩基の塩と強塩基との反応

塩化アンモニウムNH4Cl水溶液に水酸化ナトリウムNaOH水溶液を加えると、アンモニアが生じます。これは弱塩基の遊離といいます。

塩化アンモニウムNH4Clは塩であり、水酸化ナトリウムは強塩基です。塩も強塩基も、水溶液中で完全に電離しています。塩化アンモニウムから電離したNH4+は、もともと電離度が小さいです。よって、アンモニウムイオンNH4+がH2Oと結びついて、アンモニアNH3とH2Oに戻りやすいです。

このように、弱塩基の塩に強塩基を加えると、弱塩基と強塩基の塩を生じます。アンモニアは弱塩基です。強塩基が弱塩基を追い出しているように見えるため、弱塩基の遊離といいます

 NH4Cl + NaOH → NH3 + H2O + NaCl


以上のイメージは、弱いものは追い出されるです。

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