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主な原子の酸化数の変化
原子の酸化数は1つに決まっているのではなく、いくつかの値をとります。
(音声の解説はコチラへ!
https://stand.fm/episodes/60a82b5b2a1ed9793c092e31)
これを「酸化数のモノサシ」や「酸化数のはしご」等ということがあります。窒素N、硫黄S、塩素Cl、マンガンMnなどが有名です。
それぞれのSの酸化数について、( )内が酸化数を示します。
H2S(ー2)、S(0)、SO2(+4)、H2SO4(+6)と、同じSでも酸化数がー2、0.+4、+6といくつかの値をとります。
SO2は、反応する相手によって酸化剤にも還元剤にもなります。これは、SO2のSの酸化数が+4で、酸化還元反応後に-2、0、+6のいずれかの値をとるからと考えてよいです。+4から値が小さくなる、あるいは大きくなる可能性があるからです。
だから、SO2は、反応する相手によって酸化剤にも還元剤にもなります。
ここからは、N、Cl、Mnについて見ていきます。
それぞれのNの酸化数について、
NH3(ー3)、N2(0)、N2O(+1)、NO(+2)、HNO2(+3)、NO2(+4)、HNO3(+5)と、同じNでも酸化数がー3、0、+1、+2、+3、+4、+5といくつかの値をとります。
それぞれのClの酸化数について、
HCl(ー1)、Cl2(0)、HClO(+1)、HClO2(+3)、HClO3(+5)、HClO4(+7)と、同じClでも酸化数がー1、0、+1、+3、+5、+7といくつかの値をとります。
それぞれのMnの酸化数について、
Mn(0)、MnCl2(+2)、MnO2(+4)、KMnO4(+7)と、同じMnでも酸化数が0、+2、+4、+7といくつかの値をとります。
このように、同じ原子でも酸化数は異なります。その理由に、電気陰性度や電子配置などが考えられます。
電気陰性度は「電子を引きつける力の強さ」で、電子配置は「電子がどのように並んでいるか」を示したものです。
ただし、この場合の理屈の用い方は、電子配置というよりは電子軌道の話に踏み込むため、大学化学までを用いないと十分な説明には及ばないといえます。
よって、『原子によって電子を引きつける力の強さが異なるため、相手によって酸化数が異なるため、同じ原子でも酸化数が異なることがよくある。』と捉えましょう。
まとめです。
原子の酸化数は1つに決まっているのではなく、いくつかの値をとります。
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