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単体と元素

単体は性質を示します。

元素は構成成分です。

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https://stand.fm/episodes/60ac20702a1ed94b3f097723)

物質を構成する原子の種類を元素といいます。現在120種類近くの元素が知られています。そのうちのおよそ90種類は自然界に存在し、他は人工的につくられたものです。近年、日本で命名された新元素 ニホニウムNhなどです。


単体と元素は同じ名称で呼ばれることが多いです。しかし、異なる意味で使われます。単体は実際に存在する物質を示し、元素は物質の構成成分を示します。


では、いくつかの例で考えてみましょう。


(例1)水を電気分解すると、水素と酸素ができる。


このときの「水素」や「酸素」は、それぞれ気体として実際に存在し、単体を示しています


水素は火をつけると音をたてて燃え、酸素は火のついた線香の炎を大きくすることができます。これらは性質を示しています。


(例2)水は水素と酸素からできている。


このときの「水素」や「酸素」は、水の構成成分であり、元素の意味で使われています。化学式で表すと、水H2Oは水素Hと酸素Oからできています。これが構成成分という見方です



(例3)砂糖は、炭素や水素、酸素でできた物質である。


砂糖をスクロース(ショ糖)と考えると、化学式はC12H22O11です。C12H22O11のなかに、炭素Cが含まれています。よって、この炭素は元素の意味です。



(例4)乾燥空気の体積の約78%は窒素です。


空気は、窒素と酸素といくつかの気体が混ざったものです。窒素は、反応しにくい気体です。酸素は、火のついた線香の炎を大きくすることができます。これらは性質を示しています。よって、窒素は単体の意味です。



(例5)食塩にはナトリウムが含まれている。


食塩は塩化ナトリウムのことで、化学式はNaCl です。塩素Clが含まれています。よって、この塩素は元素の意味です。



最後にポイントをおさらいしておきましょう。


単体は性質を示します。

元素は構成成分です。




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