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中和のモル計算②

濃度未知の酸(塩基)を一定体積とって、これに濃度既知の塩基(酸)を中和点まで加えていくと、それに要した体積から酸(塩基)の濃度が計算できます。このような実験操作を中和滴定といいます。計算式は次のようになります。

 a × c[mol/L] × V/1000 [L] = b × c'[mol/L] × V'/1000 [L]

a は酸の価数、c は酸のモル濃度〔mol/L〕、V は酸の体積〔mL〕、b は塩基の価数、c’ は塩基のモル濃度〔mol/L〕、V’ は塩基の体積〔mL〕です。上の式は、前回の記事で紹介したものとポイントは同じです。

 生じるH+(mol)=生じるOHー(mol)

さて、では問題を解いてみましょう。

【問題】濃度未知の塩酸HCl 10mL を過不足なく中和するのに、0.050mol/L 水酸化ナトリウムNaOH 水溶液4.0mL を要した。この塩酸のモル濃度は何mol/L か。

【解答】求める塩酸のモル濃度を c[mol/L]とする。生じるH+(mol)=生じるOHー(mol)より、

  1 × c × 10/1000 = 1 × 0.050 × 4.0/1000

 よって、c = 0.020[mol/L]

【解説】塩酸HClの価数は1です。水酸化ナトリウムNaOHの価数は1です。


【問題】0.020mol/L の硫酸H2SO4 20mL を過不足なく中和するのに、濃度未知の水酸化ナトリウムNaOH 水溶液 8.0mL を要した。この水酸化ナトリウム水溶液のモル濃度は何mol/L か。

【解答】求める水酸化ナトリウム水溶液のモル濃度を c’[mol/L]とする。生じるH+(mol)=生じるOHー(mol)より、

  2 × 0.020 × 20/1000 = 1 × c’ × 8.0/1000

 よって、c' = 0.10[mol/L]

【解説】硫酸H2SO4の価数は2です。水酸化ナトリウムNaOHの価数は1です。


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