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滴定曲線のかたち

滴定曲線は、中和点付近で水溶液のpHが大きく変化します。これは、中和点付近では、水溶液中のH+ とOH- の濃度が非常に小さくなっているので、滴下した塩基(酸)に含まれるOH- (H+)がpHに大きな影響を与えるためです。滴定曲線の形は、滴定する酸・塩基の強弱の組み合わせで、変化します。

①強酸と強塩基

塩酸(強酸)を水酸化ナトリウム水溶液(強塩基)で滴定すると、中和点は中性で、中和点前後でpHはおよそ3から10に大きく変化します。したがって、この範囲で色が変わる指示薬を用いれば、中和点を知ることができます。メチルオレンジやフェノールフタレインなどが使用できます。

②弱酸と強塩基

酢酸(弱酸)を水酸化ナトリウム水溶液(強塩基)で滴定すると、滴定開始のpHが強酸に比べて大きく、中和点前後の急激なpH変化はおよそ7から10で塩基性側に偏っています。したがって、使用できる指示薬は、この範囲に変色域をもつフェノールフタレインで、メチルオレンジは中和点の前で変色してしまうので適しません。

③強酸と弱塩基

塩酸(強酸)をアンモニア水(弱塩基)で滴定すると、滴定曲線開始のpHが強酸に比べて大きく、中和点前後の急激なpH変化はおよそ3から7で酸性側に偏っていて、その後のpH変化も強塩基に比べて小さいです。したがって、使用できる指示薬は、この範囲に変色域をもつメチルオレンジで、フェノールフタレインは中和点の後に変色し始めるので適しません。


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