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モル計算のやり方①

モルの計算の基本は、大きく分けて3つです。①物質量を質量にかえる、②物質量を体積にかえる、③物質量を個数にかえる。

そして、計算のやり方は二通りしかありません。物質量から他にかえるときは「かける」、他から物質量にもどすときは「わる」になります。

本記事は、物質量と質量の変換について解説します。


物質量(mol)を質量(g)にかえるときは、分子量をかけます。

【問題】H2O  2.0molは、何gか?

【答え】 18×2.0=36(g)

【解説】18はH2Oの分子量です。分子量は原子量を足したもの。HとOの原子量はそれぞれ1.0と16です。H2Oは、Hが2コ、Oが1コだから、H2Oの分子量は、1.0×2+16 = 18になります。


【問題】Cl2  2.0molは、何gか?

【答え】 71×2.0=142(g)

【解説】71はCl2の分子量です。Clの原子量は35.5です。よって、Cl2の分子量は、35.5×2 = 71になります。


【問題】Fe  0.50molは、何gか?

【答え】 56×0.50=28(g)

【解説】Feの原子量は56です。


【問題】NaOH  3.0molは、何gか?

【答え】 40×3.0=120(g)

【解説】40はNaOHの式量です。それぞれの原子量は、Na  23、O  16、H 1.0 です。よって、NaOHの式量は、23+16+1.0 = 40になります。



質量(g)から物質量(mol)にもどすときは、分子量でわります。

【問題】CO2  88g は何molか?

【答え】 88÷44=2.0(mol)

【解説】44はCO2の分子量です。CとOの原子量はそれぞれ12と16です。CO2は、Cが1コ、Oが2コだから、CO2の分子量は 12+16×2 = 44 になります。


【問題】H2  4.0g は何molか?

【答え】 4.0÷2.0=2.0(mol)

【解説】2.0はH2の分子量です。Hの原子量は1.0です。H2の分子量は 1.0×2 = 2.0 になります。


【問題】He  6.0g は何molか?

【答え】 6.0÷4.0=1.5(mol)

【解説】4.0はHeの原子量です。Heは単原子分子といって、原子だけで分子のようにふるまうことができるため、そのまま計算することができます。


【問題】H2SO4  196g は何molか?

【答え】 196÷98=2.0(mol)

【解説】98はH2SO4の式量です。HとOとSの原子量はそれぞれ1.0と16と32です。H2SO4は、Hが2コ、Sが1コ、Oが4コだから、H2SO4の式量は 1.0×2+32+16×4 = 98 になります。


まとめ

・物質量(mol)を質量(g)にかえるときは、分子量をかけます

・質量(g)から物質量(mol)にもどすときは、分子量でわります

ただし、ここで言う分子量は、厳密にはモル質量(g/mol)をかけています。原子の質量、分子の質量、イオン式の質量、イオン化合物の質量をすべてまとめて、モル質量と捉えてください。分子量は原子量を足すだけで、計算する上でわかりやすいため、便宜的に分子量をかけるという言葉をここでは使っています。


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