我々は三重水素と呼ぼう

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 2023年8月24日13時、日本国政府は ALPS 処理水の海洋放出に踏み切った。あたしの誕生日にややこしいことすんのなあ~という個人的な事情はさておき、ややこしい張本人である反対派の放射性珍走団は、海洋放出以前から「トリチウムが」とうるさかったが、それでは市民を騙せないと気づいたのか、あろうことか「メルトダウンした核燃料に触れた水」というケガレ思想丸出しの着眼点から「未知の核種が生じる」などと大嘘をつくようになった。

 放射性珍走団のやり口は「トリチウム」とか「未知の核種」とかいう”未知”に訴えかけ、未知=わからない=怖い=やめろ!の詭弁を重ねて聴衆を騙そうとする悪質なものだ。未知に訴える限り、相当な訓練を積んだ専門家でないかぎりは一瞬ヒヤッとするのも無理はない。

 だから我々は一貫して「既知=解決済=無問題」をロジカルに強調しなければならない使命を帯びている。
 本記事でも、放射性物質の基礎に立ち戻り、彼らの欺瞞を暴いていきたい。そして別の専門で忙しいフォロワー諸賢には、最小限の確固たる基礎知識を本記事で万全にし、以降の反論を一蹴していただきたい。

正しく区別しよう。放射性物質・放射能・放射線

 ここで大事なのは放射性物質と放射線との違いだ。

 放射線とは、α線・β線・γ線・中性子線などの、非常に高速で飛んでくるが故に危険性のある粒子のビームをいう。その実、α線の正体とは単なるヘリウムであり、β線は電子、γ線は高エネルギーの光である。そんなの屁でもないと思うかもしれないが、問題はそこではない。例えて言うならば、単なる鉛玉は触っても平気だが、銃に込めてぶっ放すと殺傷能力があるということだ。α線は非常に高速で飛んでくるがゆえに、遺伝子などを傷つける危険性がある。
 一方の放射性物質とは、そのような粒子のビームを定期的かつ確率的に放出するような物質をいう。例えばウラン235とか、プルトニウムとかの物質を指す。こちらは定期的かつ確率的に放射線を発する物質であり、いうなれば弾の込められた銃のようなものだ。

 では放射性物質と放射線、どちらが本質的に怖いのだろうか。一瞬「ウランはこわい」と思うかもしれないが、冷静になってほしい。ウランは定期的にα線を放出するから怖いのであって、ウランが怖いのではない。変な話に聞こえるかもしれないが、銃が怖いのではなく、銃から出てくる高速の弾丸を恐れるべきなのである。

 敢えていうが、似た単語の「放射能」は無視していい。これは「モノが放射線を出す”能力”」を指す単語であり、いまいち使い所がない。一方で放射性珍走団は好んで使いがちな単語であり、むしろこの単語をみたら放射性珍走団だと思って警戒してもよいくらいだろう。

未知の核種が生じるから何なんだ

 じゃあ「メルトダウンした核燃料に触れた水」から未知の核種が生じたとして、軽くノーベル賞がとれそうなのは置いとくとして、だったら何なんだと強気に出てみたい。

 具体的には「その新しい核種は何崩壊するんですか?」と訊いてみればいいとおもう。

 放射性物質が放射線を放出する仕組みだが、放射線はすべて放射性崩壊という現象が起きたときに生じる。(重粒子線治療のための放射線など、人間がハイパワーの電力で加速して粒子を飛ばすこともあるが、とりあえず電気がなくてもおきる現象についてのみ考えよう)
 この放射性崩壊だが、α崩壊が起きるとα線が出て、β崩壊だとβ線、γ崩壊だとγ線が出る。中性子線は原爆のような特殊で人工的なシチュエーションでしか起きないのでとりあえず外して考える。

 じゃあ訊いてみよう。「その新しい核種は何崩壊するんですか?」
 残念なことに、放射性物質が自然に崩壊するシステムは、α崩壊かβ崩壊かγ崩壊しかしない。とすると、出てくる放射線もα線か、β線か、γ線しかない。
 とするならば、その ALPS 処理水にガイガーカウンターを当ててみて、健康被害が生じないレベルの放射線しか出ていないことを確認すれば、ほらどうってことはない。未知の核種があったら何なんだと強気に出てもいいだろう。
 未知の核種などと煽り倒されているが、出てくるものは既に対策済み、計測済みの「放射線」にすぎない。その放射線さえ微小であれば、未知の核種だろうがなんだろうがどんとこいという感じだ。

応用問題

「未知の核種」の他にも、不安を煽る言説は多数存在する。
 例えば「ALPS でいくら浄化してもセシウム、ストロンチウム、ヨウ素、コバルトなど浄化できない各種放射性物質が残る」といった言明だ。
 これを読者への応用問題としよう。上記の説明を理解していれば「だったら何なんだ!?」とこちらが強気に出られる言説だ。そのことを説明できるだろうか。

未知を訴え不安を煽る

 そもそも α線、β線、ガンマ線、中性子線あたりをちゃんと測ると、どんな核種が何割くらいいるかもわかる。仮に珍種が生まれたとしても、それが珍しい放射線を発するわけではないので「未知の核種が生じる」という言説自体が的外れな不安なのだ。

 もう一度言おう。放射性珍走団のやり口は「トリチウム」とか「未知の核種」とかいう”未知”に訴えかけ、未知=わからない=怖い=やめろ!の詭弁を重ねて聴衆を騙そうとする悪質なものだ。
 未知に訴える限り、相当な訓練を積んだ専門家でないかぎりは一瞬ヒヤッとするのも無理はない。だから本当に対策するなら、最低限の勉強はしなければならないだろう。しかしそれもさっき終わったところだ! もう怖がる必要はない。

 放射性珍走団は未知に訴えかけるしか方法を知らない。彼らはトリチウム、トリチウムとうるさかったが、では「三重水素」と呼んでいるところをみたことがあるだろうか? 絶対にそうは呼ばない。そんな名前で呼ぶと単なる水素だとバレてしまうから。 未知の核種って具体的になんだろう?「わからないから怖い!」に持ち込むための煽り文句でしかないのが明らかだ。

提言:我々は三重水素と呼ぼう

 だから彼らが未知を刺激してきたら、こちらは既知で対抗するのが正道ではないだろうか。
 提言する。もし知識人の方がこの記事を読んでいたら、お願いする、彼らがトリチウムという度に、我々は敢えて三重水素と呼んでいこうではないか。同じものだから議論を妨げることはまったくない。科学的に正式な呼称であり後ろめたいものはない。 共産党がやったような、安保法制を戦争法案と呼んで騒ぎ立てる「印象操作」に乗ってはいけない。トリチウムではなく、三重水素だ。

 再び彼らが新しい呼称を発明するかもしれないが、あくまでもその呼称に乗らず、平易な科学的名称を敢えて対抗していこうではないか。

 もう怖がる必要はない。
 幽霊の正体見たり水素水だ。
 言説を歪め、敢えて不安でこの世を支配しようとする勢力には、断固として正しい知識と平易な呼称で対抗しようではないか。科学の知識を真っ当に広めていこう。

 よろしければ34歳の誕生日が放射性珍走団との戦いの始まりになった化学魔さんを記事の拡散で応援してください(笑)

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