物理数学シリーズ④:物理学者から見た病気の原因と治療とは何か(癌を例に解説)

物理は難解ではあるが、単純明快である。
中には現代でもわかっていないこともたくさんあるが、一定の条件下で単純化できるような問題については非常に明快に答えを返してくれるのが物理学だ。

平らな床にビー玉があるとしよう。
ビー玉が止まっているのは力が加えられていないために静止を続けている。
力が加えられるような原因がなければ動くことはない。
ビー玉が動くのはビー玉に何らかの力が加えられたという原因があるためにビー玉が動くという結果が現れる。
止まっていたビー玉が動き始めたという結果が観測されれば、例え原因がわからなくとも何らかの力が加わったことは間違いないと考え、どのような力がかかったのかというあらゆる可能性を検討する。

このような物理学者であれば当たり前のような基本的な考え方が出来ていると思えるような医療従事者や医学博士はほとんど見ない。
結果、現代のほとんどの医療や治療は原因を見ずに対処療法ばかりやっているように、物理学者の端くれである筆者には見えるのだ。

科学には基本がある。
科学の基本さえ押さえておけば、どんな分野についても基本を軸にして自分で考えることができ、それは医学についても同様である。
つまり、筆者は医者でもなければ、薬学の専門家でもないが、医学や薬学は物理学や生物学などを通して容易に理解ができる。

そこで今回は、物理学者の視点から、医療や治療についてどのように考えるか、物理学者の視点から病気とどのように向き合うかについて述べたいと思う。

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