「台湾有事は日本の有事で大変だ!」と騒がれていることについて思うこと

安倍晋三元首相は生前、「台湾有事は日本の有事」と声高に主張されていた。
日本の保守派言論人も「台湾有事は日本にとっても重要だ」と主張している。
そして現在、アメリカの下院議長のナンシー・ペロシが台湾を訪問していることで中国が怒り、何故か日本に向けてミサイルを発射した。
これについて、様々なところで色々騒がれているので、筆者の見解を述べておきたいと思う。

そもそも、中国共産党と台湾政府はとても仲が良い。
国としての中国と台湾は対立しているかのように見せ、中国は「台湾は中国のものだ!つべこべ言っていると、台湾に攻め込むぞ!」と言い、台湾は「弱小国台湾は中国に攻め込まれて滅ぼされてしまいそうです!助けてください!」と言っている。

だがしかし、そんな台湾は先進国から購入したり寄付してもらった軍事技術や軍事物資をせっせと中国に流している。
「中国から助けてください!」と言っている者が、軍事物資や技術を中国に送っていて、本当に助けてほしいと思っているのだろうか?

台湾総統が李登輝の時代には、確かに明確に台湾と中国は緊迫しているように筆者には感じられた。
だが、蔡英文が総統となっている現在はどうか?
台湾独立を唄って選挙に勝った蔡英文は何故か、「独立しなくていい」と言い始めた。
そして、中国共産党ととても仲良くやっている。

そして何より、中国共産党の最大派閥の浙江財閥の本拠地は台湾であり、浙江財閥は台湾政府をほぼ支配している状態といえる。
そんな状態のため、仮に中国が台湾に攻めて台湾を焼け野原にして一番困るのは中国共産党である。
中国という国が中国共産党が困ることをするのだろうか?

以前、アメリカのとあるシンクタンクが、「中国にとって台湾の中で最も欲しいのは浙江財閥が経営するTSMCなどの半導体企業なので、台湾有事があった際には、米国は真っ先にTSMCの半導体工場などを破壊してしまうのが良い」というレポートを出した時、中国の台湾に対するトーンが急にダウンした。
これも正に、中国と台湾はズブズブであることの状況証拠となるだろう。

そもそも、中国にとって台湾は重要なロンダリング拠点であり、台湾という「西側という顔をしながら、国家ではないために様々な国際ルールを守らなくても良い絶妙なポジション」があることがとても重要なのだ。
つまり、台湾というバックドアがあるから、中国はアメリカから経済制裁を受けても、軍事技術や軍事物資の調達を止められても、平気でいられるわけだ。
そのような中国が台湾を完全に中国のものにしてしまったら、台湾という素晴らしいバックドアを失ってしまうことになる。

これが現在の中国と台湾の大前提の立ち位置である。
そして中国は台湾を脅すふりをして、台湾はあらゆる援助を世界中から受け、それを中国に横流しすることで台湾も中国も豊かになる。
このことは台湾でもかなりの言論統制がされており、台湾でそのような報道は政府に完全に規制されている。
まるで日本と同じではないか。

中国が「台湾を襲うぞ~」と言い、台湾が「世界の皆さん、助けてください!」と言うのを見るたびに筆者は、ヤクザの親分と子分が「オオカミ少年ごっこ」をしているように感じる。
下手にヤクザにかかわると、足元をすくわれるだけではなく、財産を全て奪われたり、命を狙われかねない。

本当に「台湾有事は日本の有事」なんですか?
ヤクザの猿芝居にのるのは馬鹿だ。
そして、現在の米バイデン政権やナンシー・ペロシは中国ととても仲が良いことも忘れてはならない。
3人のヤクザがどのような猿芝居を打つのか、今後も見ものである。

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