「ゴーマニズム宣言」で有名な小林よしのりの消費税論が面白過ぎたので反論してみた

小林よしのりをご存じだろうか?
筆者が学生の頃、おぼっちゃまくんという漫画で一世を風靡し、その後、「ゴーマニズム宣言」シリーズで様々な政治的な言論をした言論人である。
当時、政治言論の世界は堅苦しい世界であったところ、小林よしのりは漫画という媒体を使って政治言論を発信することで、幅広い層に影響を与えたという意味でも有名な方である。

そんな小林よしのりが自身のブログで「消費税は国民の証」という凄いタイトルのブログを発表している。
とても短いブログなのだが、一言一句がツッコミどころ満載なので、インテリジェンス力を向上させる目的で、是非取り上げてみたいと思う。


小林よしのりはブログ内でまず、以下のように結論を述べている。

わしの読者の中に、消費税は「国民」の証として納めるべきだというわしの論理に、気が付かなかった、感動したという人が続出した。
ナショナリズム(国民意識)を持つ者なら分かるはずだ。

小林よしのりは「消費税は国民の証」であり、「ナショナリズム(国民意識)を持つ者なら分かるはずだ」という感情論で消費税は正しいと押し切っている。
そもそも税金というのは担税力、つまり、税金を支払う能力がある者が、その支払い能力の応じて支払うべきであるという大前提があり、単なる愛国心だとか国民意識によって支払うものではない。
ということを考えると、小林よしのりは何が何でも感情論で消費税の正当性を主張したい何かがあるのだろうか?

さらに、小林よしのりは下記のように語っている。

消費税は5%でも、3%でも、納めるべきである。
・・・
カップ麺一個買えば、高額納税者と平等に国を語る資格が出来るというのは素晴らしい理念だ。

つまり、小林よしのりは貧しい者も富める者も、カップ麺を一つ買うごとに同じ金額を納税すべきであるということを述べている。
この発言だけで、小林よしのりは担税力を無視して貧しい者からも、何かを買うたびに税金を納めさせるべきだという、貧しい者を貧困に陥らせてもよいという視点を無視しているだけでなく、そもそもの消費税の構造を理解していないことがわかる。

消費税というのはそもそも、消費者が払うのではなく、事業者が払う税金であり、性格としては法人税であり、法人税の二重課税なのである。
消費税が事業者が払う税金であることは、消費税法に明確に書かれている。


担税力を無視し、貧しい者をより貧しくさせる性質をもつ消費税は、税金の構造として既に破綻している。
「村のみんなで協力して田畑を耕して農作物を作ろう」というときに、病気の者、怪我をしている者、力の弱い女性や子供や老人などに、元気で力の強い男たちと同じ仕事量を要求するのは酷であり、非人道的である。
元気になって人一倍働けるようになってから働いてもらうものであり、皆で助け合う精神を持つのが真の国民意識しではないだろうか。
それを完全に無視しているのが、消費税であり、小林よしのり自身である。

そして小林よしのりは驚きの結論で締めくくる。

わしは損得で税金を語らない。
国家・国民の哲学の視点から経済を見る。
素人だって、経済を語る視点は持てるのだ。
というより、学者やプロのくせに、ナショナリズムなき経済を語る左翼がいることが驚きだ。

わしは消費税ゼロは、損得しか考えてない左翼の感覚だから、反対せざるを得ない。

税金に担税力を無視して語ることはできず、損得を無視して語ってはいけない世界である。
小林よしのりは「消費税ゼロを訴えるのは損得しか考えていない左翼だ」と主張するが、論理飛躍も甚だしい。

そもそも、「消費税ゼロ」というのは担税力から考えれば当然の結論である。
なぜならば、詳しくは筆者の過去の記事「消費税というのは法人税の二重課税である」https://note.com/kagadazugudu/n/n87dbbad59bffという記事を読んでいただきたいが、消費税は事業者に対して、「利益に加えて人件費などの費用に対して課せられる税であり、利益が出ていない赤字企業に対しても支払いが強制される税であり、担税力を無視した弱者を痛めつける税」なのである。

そもそも法人税というものが存在している以上、法人税の二重課税は違法である。
さらに、担税力のない赤字企業にも消費税を課すのは赤字企業を恣意的に倒産させる鬼のような制度が消費税の実態なのである。

にもかかわらず、小林よしのりは消費税の論理的構造を無視して「消費税ゼロはナショナリズムなき左翼」だと吐き捨てている。

筆者にはナショナリズムや国家感、国民意識が十分にあると自負する。
それらがあるからこそ、担税力のない、赤字で倒産の危機に瀕している企業にさえも納税を強制させる消費税は天下の悪法であり、廃止すべきだと主張しているのである。
そもそも、消費税を残す/増税するというのであれば、消費税の話をするのではなく、法人税率を引き上げの議論をすれば良いだけの話である。
その程度の単純で基礎的な税の仕組みも理解していないにも関わらず、ナショナリズムをあおって消費税の正当性を主張しているのが小林よしのりである。

小林よしのりに限らず、自分の主張をゴリ押ししたいとき、「これに反対する奴は非国民だ!」という主張が行われることがあり、戦前では左翼が戦争賛美をするときに利用された。
小林よしのりは戦前の左翼を頻繁に批判しているが、そんな自身が戦前左翼と同じ状況になっていることを理解しているのだろうか?
ミイラ取りがミイラにならないよう、読者の皆様もお気をつけください。

そもそも、もしかすると小林よしのりは財務省に買収された犬なのだろうか?
ご存じの方がいらっしゃれば、教えていただければ幸いである。




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