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追い豆とドイツコロナアップデート(2021/01/03)

グーテンターク!皆さまこんにちは。フランクフルトのYokoです。今日は風の冷たい寒い一日でした。ヘッセンでも標高が高い場所は雪が積もったようですし、よしおさんの実家があるチューリンゲンでも雪が積もって銀世界になったらしく「やっと冬になったよ〜」と連絡ありました。

あちらと違ってドイツにしては比較的温暖なフランクフルト市内には雪は降りませんでしたが風は冷たかった!🥶

なので散歩は短めコースでした( 笑) そんな寒い夜は温かいスープをいただきます。

元旦に作った煮込み料理カスレをリサイクルして温めました。

カサ増しで追いがつおならぬ追い豆決行。今回はAugenbohnen アウゲンボーネンという豆です。直訳は「目豆」水に戻して下茹でしてから加えました。

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トマトペーストとチャイブをのせてリサイクルごはん完成。お肉と豆でたっぷりタンパク質をとりました。

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さてさて最近のドイツコロナアップデートです。画像3

引用: Daily Situation Report of the Robert Koch Institute 2021/01/03

クリスマスの1週間前から強めの部分的ロックダウンに入ったドイツです。ワクチン接種は年末に始まりました。そのためワクチン接種数が統計として示されるようになりました(緑の部分) これまで24万人弱が接種を受けたようで、直近では1日あたり4万人のペース。

新規感染者については一時の1日あたり3万人よりはおさまってきているようにも見えます。祝日で正確な数字が反映されていない可能性もあると但し書きはありますが、感染爆発という事態にはなっていないようです。また集中治療が必要なコロナ患者数も+36と急カーブではないようです。ただ10万人あたりの新規感染者が140で、50以上が警告レベルであるという定義ではまだまだ道のり遠いですね。

そこで気になるのがワクチン接種。現在23万人が1回目の接種を受けており、1日4万人のペースです。ワクチンはバイオンテックとファイザーのもので2度の接種が必要とされています。

ワクチン接種のプライオリティは3グループに分けられていて今は第1グループです。

高齢者施設や介護施設の入所者、80歳以上の者、及び高齢者と接する介護職員や高齢者施設職員、集中治療、緊急治療及び救急サービスに従事する者等、新型コロナウイルスに曝されるリスクが非常に高い医療スタッフ、重大な疾病又は死亡に至るリスクが高い疾病の患者、例えば移植医療の患者を看護する看護師などが第1グループに分類されています。

各州に配分されているワクチンは人口比で割ると人口の多いバイエルン州では少なく、人口が少ない州では高いなど問題が山積で政治の世界では連邦政府vs州首相、それぞれの議会で与党対野党政治家がバトルを繰り広げています。もちろん医療団体、研究機関、アカデミー、専門家(公衆衛生、ウイルス学、医療倫理など)にバイオンテックCEOの発言も連日メディアで報道されてまさに喧々諤々です。

FAZでシャリテ・ベルリン医科大学のクリスティアン・ドロステン教授のインタビューが記事になっていました。

上記記事のグラフをみると各州100人あたりの人数にばらつきのあることがわかります。人口の少ない北部メクレンブルク=フォアポンメルン州では0.71ですが、人口多く、経済を牽引、しかし深刻な感染拡大に悩むバイエルン州は0.44です。私のいるヘッセン州は0.48。チューリンゲン州はわずか0.04。(最初から州ごとの配分が違うのか、接種プロジェクト運営の問題かは不明) 

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同記事にある12/27-01/03までのワクチン接種の推移です。

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ドロステン教授はウイルス学、特にSARSの専門家でシャリテのウイルス学研究所の所長です。連邦政府のアドバイザーであり、一般向けにはポッドキャストでコロナアップデートを発信していることもあり、ドイツ国内で個人研究者としては最も影響力のある人物です。経済を殺す悪者としてヘイト対象となり殺害予告までうけるなど激しい反対派の突き上げにもあっています。

記事によるとドロステン教授は予防接種戦略は「複雑な問題」であると強調、(バイオンテックの扱いが難しいワクチンの他に) アストラゼネカからのワクチンの承認を急ぐよう提言しています。

ドロステン教授は2021年は昨年の状況より楽観的な見通しを立てているものの、今年の前半は非常に複雑なものになると言います。

後半以降は状況が緩和される可能性があるが、それは最初の半年間にいかに多くの人にワクチンを接種することができた場合にかかっていると付帯条件をつけました。

教授が複雑としたのは、正しい行動の方向性について行われる議論がかなり賛否両論物議を醸す可能性をみているからで、リスクグループの大部分にワクチンを接種したのに、今は規制する理由がないと主張する勢力が出て、行動制限を解いてしまうリスクを懸念しておられます。いくらワクチンを接種したからといって行動制限を一気に解除してしまうと、安心した人々が動き回り感染リスクが高い状態となり、結局感染者が増えてしまう、それは若い世代も同じと危惧されています。

このようなジレンマが来ることを先に予想し、問題提起してくれるドロステン教授の言葉はとても参考になりました。

また彼は今の数字ではなく1月中旬の数字を見てから2月もこのまま強め部分的ロックダウンを続けるのかを判断すべきとも述べ、英国で承認されたアストラゼネカのワクチンをEUは早く承認すべきと述べています。理由は特別な施設なく家庭医でも扱えるワクチンであるためとのこと。

ドロステン教授としては、ワクチン接種数増、かつ接種スピード早めることで、世論が反発して行動制限をやめてしまう状況になる前に集団免疫を作り出しパンデミックを抑え込むシナリオが最適と見ているように私は理解しました。

今年半年が勝負か…。ワクチンの効果が早く数字となって現れるといいのですが、現れると効果が十分になる前に先程の「もう何やってもOK!」みたいな緩みが出るとワクチン接種しているのに感染者が高止まりというワーストシナリオになるリスクもあるんですね。ワクチンも優先グループ以外の人がワクチン接種を終えるには15ヶ月かかるという予想もあり、ダラダラ接種が進まないとせっかく膨大な費用と人的リソースをさいても効果が薄れてしまう可能性も。

ワクチン戦略も結局は政治が動かすので、引き続きEU、ドイツ連邦政府、州政府の動きや世論形成に注目します。また連邦政府、各州ワクチン接種の運営マネジメントにも注目です。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

Bis dann! Tschüss! ビスダン、チュース!(ではまた〜)😊






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