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墓場で詩のボクシング (The Smiths "Cemetery Gates")


恐るべき晴れ
どうだい墓地で待ち合わせ
キーツとイエイツ譲るよ
恐るべき晴れ
どうだい墓地で待ち合わせ
キーツとイエイツ譲るよ
ぼくにゃワイルドがいる

じゃ中に入ろう おごそかに墓碑を読もう
かつて生者だった人
いまいずこ
その愛、憎しみ
情熱もあったのに
みな生まれ
そして生き
そして死んでく
そんなのってない
泣きたくなる

きみは言う「夜明け日の三度あいさつさえ待たず」
わあそりゃオリジナルかい?
でもどっかで読んだし耳にした
賭けてもいい たぶん100回、それ以上
もしどうしても詩をしたためるなら
君のことばでね
拝借はなし まして剽窃
だっていつでも誰か、どこか、
ハナのきく輩(やから)
めざといんだ わって笑う
きみの落ち度
めざといんだ わって笑う
きみの落ち度

きみは言う「えーなんでんかんでんで」
わあそりゃオリジナルだよね
なら作ってよひと文句
どっかの墓から剥いできて
(愚かなる娼婦、1804)

恐るべき晴れ
もう待ちきれない、どうだい
そう墓地で待ち合わせ
キーツとイエイツ譲るよ
恐るべき晴れ
いよ待ってました、どうだい
そう墓地で待ち合わせ
キーツとイエイツ譲るよ
おあいにく
大好きなとんでもワイルドできまりさ
でしょう!

(The Smiths "Cemetery Gates" by Morrissey & Johnny Mar 試訳:細馬)

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