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#どうするSNS広報

Twitterの終末が囁かれ、でも意外と終わらないので別れを告げることもできない。そんな日々を送ってますが、みなさんいかがおすごしですか。

そんななか、FacebookやInstagramを営んでいてメタバースもやろうとしてるけどいまいち普及しなくて米国四季報でも「大丈夫?」って感じに扱われてた気がするザッカバーグ率いるMataがThreadsというSNSアプリを開発、つい先日ローンチした。詳しくはこの記事を読んでほしい。

Twitterにそっくりだが、DMができず、エゴサーチもできず、いいねしたりリツイートしたりはできるけれど、その数がはっきりと比較されることはない。タイムラインにはフォローもしていないのに光あふれるインスタグラマーたちの美しすぎる投稿が入り混じり、自分と同じ考えの人たちだけの思考の偏った村を作るぞ、ということはできない。治安の悪い場所にはしないぞというザッカーバーグの意思を感じるSNSだ。

さっそくアカウントをつくってみた。作家名でやろうとした場合、放置していたInstagramのアカウントと紐付けされたアカウントを作るしかない。これをやるとThreadsのアカウントとInstagramのアカウントは道連れとなり、どちらかだけ削除することはできないらしい。ついでにいうとFacebookもくっついてくるらしい。

私がこの一年フォローして見守ってきたInstagramのファッションインフルエンサーもさっそくThreadsのアカウントを作ったが、その理由は「Instagramではフォロワーとのコミュニケーションが難しいから」というものだった。Instagramでもフィード投稿やストーリーズにリプ欄があるにはあるのだが、ちっちゃくて、返信も見にくいのだよね……。そんなこんなでInstagramですでにたくさんのフォロワーを有しているアカウントがフォロワーを引き連れてやってきて、いきなり何万人フォローとかになっている。Instagramの拡張機能として使っている感じなのだろう。

もともとTwitterはどんどん流れていってしまうフロー型のSNSであり、みんなで作る言論の場という性格が強くなってきている。「今」の場の空気を読み、「今」の話題にどう反応するかという反射神経は鍛えられるし、うっかり炎上したなどの黒歴史はだけはしっかり残るが、個人個人に蓄積されるキャリアのようなものがあまりないかもしれない。
一方、Instagramはストック型のSNSだ。自分のアカウントのフィードに、写真や動画などの「作品」をためていき、ファンを作っていくプラットフォーム。だからかユーチューバーもそうだが、どのSNSにいってもファンがついてくるだろう。逆にいえば個人のクリエイティブな成果としての「作品」がなく、敵がいてこそ輝く、ような人にとっては非常に戦いにくい。

私も一応、「作品」を作る人間ではあるので、じゃあ戦いやすいかというと、Instagramは写真と動画優位なので、文字情報を読ませるプラットフォームとしてはやはり弱いのだ。体感として「写真/動画が9割、文章が1割」くらいしかフォロワーに届けられない感じがある。なので、Instagramに読書アカウントがたくさんあって、私の本の感想を書いてくれている人たちがたくさんいることがわかっていながら、自分のアカウントをどう使っていいかわからず、放置してきてしまった。ほとんどリーチできていなかった。が、「写真/動画が5割、文章が5割」くらいで動いているThreadsと連携しているなら別かもしれない。

つねにTwitterにいて、Instagramのアカウントも放置していたくせに、やけに半可通を気取るじゃないかと思われたかもしれないが、実は私にはInstagramの別アカウント(ロム専)がある。
セルフネグレクトから脱出するため、仕事を休んでいたこの一年の間、Instagramのファッションインフルエンサーや収納インフルエンサーに師事していたのだ。さらにはデスク環境の研究をするため、海外の女性エンジニアアカウントを片っ端からフォローしていた。ついでに彼女らがInstagramをどう使っているのかをずっとROMっていた。

そんな彼らがThreadsをどう使うかも眺めているのだが、文章が多めになっても写真や動画と組み合わせるのがやはりうまいのだ。私がデスク作りの師とあおいでいるカナダ在住の女性エンジニアもさっそくTheardsにアカウントをつくった。これまでも彼女がInstagramも投稿する写真を穴が開くように見つめ、彼女のデスクに置いてあるモニターやキーボードやデスクマットのブランドやカラーやコーディネートや、彼女のデスクの美しさが何によってできているかを、解像度高く読みとろうとしてきた。Instagramにいるときには完璧な写真(完璧にセットアップされている状態)ばかり投稿してきた彼女が、Theardsにきたらややくだけた日常写真を載せるようになったのだが、それが私はとても嬉しい。

Instagramが個展の画集なら、TheardsはZINEで、少し軽い感じがするのだ。そんなSNSになっていくんじゃないかと思ったりした。

しかし、そこへやってきたTwitterの人たちは「ふむふむ、ここがTwitterの代替品のSNSのようですが、Twitterにあるこの機能もあの機能もなくて、まだまだだめですなー」という態度でいたりする。Twitterからくるひとは有名アカウントでもひとりでやってきて、フォロワーがあまりついてこない。だがらか「Twitterでは怒られるからつぶやけないこと(下ネタなど)などをここでいっちゃお」という人も何人かいたようで、なんともいえない気分になった。(Twitterそっくりに作られているからいけないのだろうけど)「ここを第二のTwitterにする」「Twitterよりも傍若無人にふるまっていい」という、大企業からベンチャーにきて偉そうにしているサラリーマンの振る舞いみたいな感じがちょっとやだなと思ったのかもしれない。Twitterでは有名だったかもしれないけど、ここではあなたも私も、新参者であり、何も持たないチャレンジャーなんですよ、と思ったりもする。

つらつらとTwitterとThreads(およびInstagram)について書いてきたのだが、どのSNSでどんな発信をするかをよくよく考えないといけないなと思った。もちろん、どのSNSでも同じ私でいるという選択肢もある。個人アカウントであるとわりきるならそれでもいいのかもしれない。
が、あるべき小説家の公式アカウントの運営をして、それぞれのSNSにいる読者(彼らは私と書店と出版業界の顧客でもある)とあるべき交流をしたいという野望が私にはあるのだ。

その野望はこの本を読んでから生まれた。

初めてのセルフパブリッシングで作った技術同人誌をどこで売るか迷っていた時、技術同人誌の先輩・mochikoAsTechさんが教えてくれた。
「技術書典のオフライン会場とオンラインマーケット、BOOTH、Amazon、など、それぞれの書籍通販プラットフォームにはそれぞれのお客さんがいて、プラットフォームを超えるハードルはかなり高いんです。本の見せ方も売り方もそれぞれの場所で違うんですよ」
実際やってみるとかなり違うのがわかるし、それぞれの場所で本を売るのはとても楽しかった。

では、まるでマルチバースのようにSNSがたくさんできている今、小説家の公式アカウントはどうする? どうすればいいのだろうか?

たとえばこんな風に発信することを変えてみたらどうだろう?

Instagram(写真動画9割、文字1割)
書影、販促のためのポスターやポップ
・小説家に最適化したデスクのセットアップ
  →めざすイメージは「現代的でかっこよい労働小説家」

かっこよさげな場所だけ切り取ってみた

Threads(写真動画5割、文字5割)
・書影+本文引用(300文字まで書ける)
・Instagramに投稿するデスク上の細々したツールの写真や動画
・日常(できるだけキラキラ)
・ヘルスケア
 →めざすイメージは「現代的でかっこよい労働小説家のバックヤード」

ややキラキラしてる?

Twitter(写真動画2〜3割、文字9割)
自著の感想のエゴサーチ&リツイート
セルフネグレクト&マッチョ
量産型ワーキングマザー
ビズリーチ登録する?
深夜のラーメン
もういや
愚痴
弱音

  →めざすイメージは「現代的でかっこよい労働小説家のバックヤードのさらにバックヤード(たまに何かも投げ出し、蒸発したくなる一労働者)」(つまり今まで通りってことですね)

暗い…暗い…

こんな感じでアカウト人格を分けてやってみたらどうだろうか。まあ社会で働いていたらみんなやっていることですよね。
自分の人格をいくつにも分けていくというのは、小説のなかではよくやることなので、小説家、意外とアカウント人格の切り替えが得意かもしれない。

ちなみにいま、この本を読んで、プログラミングを見よう見まねで学び、LINEの公式アカウントを作るという無謀なこともしている。

架空の人物のBOTも作れるため、LINEでは私ではなく、作品の登場人物たちにフォロワーの質問に答えたり、なにかつぶやいたりさせたい。たとえば結衣は定時までしか答えないけど、晃太郎は対応してくれるとかね。

今はまだ私が自動応答するとこまでしか
作れてない

え? noteはどうするかって?

それはまだ考えられていないけど、労働小説家のテックブログみたいにしたらいいのかな…。まだわかんないです…。