見出し画像

『わたし、定時で帰ります。2 打倒!パワハラ企業編』の解説&帯コメントをSuperflyの越智志帆さんに書いていただきました


3月2日に新潮文庫から『わたし、定時で帰ります。2 打倒!パワハラ企業編』(単行本刊行時のタイトルは、『わたし、定時で帰ります。ハイパー』)が刊行されました。

【告知】『わたし、定時で帰ります。2 打倒!パワハラ企業編』が新潮文庫から刊行されます

さてさて、文庫といえば、楽しみなのは巻末の解説です。
今作ではなんと、Superflyの越智志帆さんに解説と帯コメントをご執筆いただきました! タイトル画像にうまく入らなかったので、こちらで帯をご紹介します。

iOS の画像 (1)


越智さんは2018年にこのシリーズがドラマ化した際、主題歌「Ambitious」を書き下ろしされています。当時のインタビュー記事があります。とても素敵な内容なのでシェアさせていただきます。

Superfly「Ambitious」インタビュー|「わた定」と「プロメア」が引き出した新しい私 - 音楽ナタリー 特集・インタビューhttps://natalie.mu/music/pp/superfly07

夢と仕事を“=”で結んでしまうと、すごくややこしいことになるし、その人にとっては大きなプレッシャーにもなるじゃないですか。だったら、そのプレッシャーを取っ払えるような曲を作りたいと思ったんですよね。同時に、若い世代が何かに憧れたり夢を抱いたりしやすくなるような社会を、我々大人たちが作っていくことが大事なんじゃないかなって。そういう意味も曲に込めたいと考えていました。

Superfly「Ambitious」インタビュー|「わた定」と「プロメア」が引き出した新しい私 - 音楽ナタリー 特集・インタビュー

今さら言っても信じてもらえないかもしれませんが(そういうのばっかりでごめんなさい)、実は私、この2作目を執筆中、Apple MusicでSuperflyの歌をヘビロテで聞いていたのです。

連載中の2017年は、現実社会でもパワハラやセクハラのニュースが相次いでいました。そんな中、ハラスメントを繰り出してくる人たちと、作品の中でとはいえ、戦うのにはかなりの精神力が要りました。パワーのある曲を探して、めぐりあったのがSuperflyの「Fall」でした。

なので、撮影を見学している最中に、「主題歌はSuperflyさんにお願いしてます!」と告げられた時は信じられずに、「それは私の知っているSuperflyですか」と確認しそうになりました。(もちろんそうでした)

「Ambitious」を試写会で初めて聴いた時は、すごく緊張しました。
脚本も読ませてもらっていたけれど、字だけで見ると結衣と三谷のセリフのやりとりが本音むきだして、とても生々しくて、自分で書いたお話ながら「大丈夫かな」と心配だったのです。
ですが、試写会の席で「Ambitious」が流れた時、ドラマチームの皆さんの目指すところがわかった気がしてホッとしました。
「すれ違うスーツの群れは夜よりダーク」で始まる歌詞はほろ苦くて、でもメロディは優しくて、聴いているとふっと緊張が解ける。「Ambitious」はそんな曲でした。

ドラマ放送中は、毎週のように取材を受け、連載も2本抱えていたので、息もできない毎日でした。ドラマが素晴らしいがゆえに、取材してくださるメディアが後を絶たず、「会社員に向けて一言」とか「管理職に向けて一言」とか「時事ニュースについて一言」とか、自分の身の丈に合わない質問が増えてきて、思慮の浅いことを言ったことを後悔する日もありました。
ワーカホリックである自分と戦うために書いた話なのに、再びそこに引きずりこまれそうになっていました。
そんな中、「Ambitious」を聞くと、「ねえ、不安や焦りはご法度でしょうか?」とか「明日も起きようね」という歌詞から、吉高由里子さんの演じる結衣の柔らかい雰囲気が思い出されて、「ちゃんと休もう」「できないことはちゃんと断ろう」と思えました。

そんな心強い主題歌を作ってくださった越智志帆さんの解説です。本当に嬉しいです。ありがとうございました!