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惡喰蛇娘

こんばんは、怪髏子のアトリヱへようこそ。

七〇年代カルチヤー

昨年夏頃の產學連携での作品作りを
御紹介いたします。

・六〇〜八〇年代の文化を元に製作。
・提供のテープやレースを使用。
・グループでテーマを決める。

と云ふ条件付きで一人一體仕上げます。

我々は七〇年代を選び、
freak show』をテーマに掲げ、私は
ドレメの卒業生でもあります山口小夜子さんを
イメエヂした衣裳を製作する事にいたしました。
小夜子さんをご存知でない方は
どうぞ此方をご覽になつてみてください。

お寶探ししてゐる場處は私も通つてゐる
ドレスメーカー女學院ですネ。

そして彼女をイメエヂして描いたデザイン畫が
此方になります。

イメエヂ

デザイン畫

彼女は蛇の鱗を持ち、
を生きたまゝ貪り喰ひます。

七〇年代、スティーリー・ダンのレコードの
ジヤケツト寫眞に起用された際の小夜子さんを
イメエヂし、見世物小屋の蛇娘に仕立てました。

https://aucview.aucfan.com/yahoo/k216219281/
お仮縫ひ《前》
お仮縫ひ《後》

製圖に起こし、出來たお仮縫ひになります。
本番は此に更に腰廻りのボリユウム感を出しました。


革と天鵞絨

さてさて實際のボディスに使ふ生地ですが、
合皮になります。

蛇柄の繻子を使ふか迷つたのでございますが、
革に格子状の切れ目を入れて鱗のやうにした生地を
見つけ、さうだ此にしやうと。

螢光色の合皮の表面にカツターナイフで薄く
切れ目を入れ、コンナ生地に仕上げました。

生地サンプル

全體に此を施し、紅絹裏をイメエヂした紅い裏地と合せ
提供の紐を通し編み上げました。

さらにスカートの生地。
此方は小屋の幕を模して
臙脂の天鵞絨ビロードを使用しました。

天鵞絨つて安つぽくテカらないやうに
逆毛で使ふんですネ。其の方が翳を多く取り込むから。
お恥ずかしながらこの時迄存じませんでした。

そしてアイロンをかけるのにピンボードといふ
剣山のやうなものを使はなくてはならず
大變世話の燒ける生地でございます。
裾には提供の黒いフリンヂを金色に染めて。

袖は異なる三枚の生地を重ねて肩のフリンヂと固定。


絡繰り

この衣裳には絡繰りからくりが仕込まれてゐます。

胸元の鷄を噛み上げると天鵞絨の裾が上がり開幕する。

といふもの。
今囘はこの絡繰りを特別にお敎へしませう。

使ふのは

・江戸打ち紐
・ストロー
・鷄の頭

ストローを輪切りにしスカートの内側に縫ひ付け、
鷄の頭を付けた江戸打ち紐を通し結びます。完成。
簡單でしたでせう?

此位置に紐が通つてゐる

では此章の終わりは、仮縫ひで使つた一代目チャー坊
本番用の二代目チャー坊をご覽ください。
二代目は鷄嫌ひの先生が逃げました。


レーザーカツター

審査員も務めるアパレルブランドHISUI
伊藤弘子先生との相談の中で、此鷄の羽根を模した
フリルをどう端処理するかといふ問題が上がりました。

其処で伊藤先生からレーザーカツター
使つてみないかといふお話をいたゞき、
私は伊藤先生の事務處へとやつて來ました。

事前に私がIllustratorで作つたデータの通りに
機械が光線でクリイム色の繻子を燒き切ります。
意外とデイジタル女でせう?

おゝ〜!

眺めてゐるのが樂しいですネ。
もし此処に指など入れやうものなら、ネェ。


蛇と鏡

ヤツト話は裝飾迄やつて參りました。
グループで揃ひの頭飾り。
豪華な見た目とは裏腹に素材は至つて簡素なものです。

・カチユーシヤ
・結束バンド
・アルミカツプ
・紙粘土
・針金
・鎖
・鏡

揃ひの棘々に、アルミカツプの鱗。
眞ン中には紙粘土で出來たが突き刺さつてゐます。

そして何故裝飾にが必要かと云ひますと、
鏡の語源は「カヽメ」、蛇の目を意味する為。
スカートの幕が上がりますと、
鱗のやうな網タイツにも鏡が散りばめられてゐます。


惡喰蛇娘

さうして完成した惡喰蛇娘は
伊藤先生から『HISUI賞』をいたゞきました。
ありがたうございます。

最後に、此子が何故此処の見世物小屋へ來たのか
ソンナ囘想も含まれる映像作品を。

他の登場人物にもどんな物語があるのか
何度觀ても新しい發見のある見世物かと思ひます。

此衣裳の仕組みや出來方を知つた皆樣なら
数倍お樂しみいたゞけるのではないでせうか?

◆❖◇◇❖◆楓 怪髏子◆❖◇◇❖◆

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