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ルンバよありがとう、そしてさよなら。

ルンバを処分した。

10年前に買ったもので、最近はゴミをほとんど吸わずに、大きな音を立てて部屋をのろのろと動き回るだけの装置と化していた。
中の機械が壊れているだけでなく、外側も割れていてパーツ交換や修理どころではなかった。

早い話が寿命だ。我ながらよく使ったと思う。

粗大ごみの回収に申し込んだら回収日が1ヵ月先で、時は流れてようやく今日、その日を迎えた。
(その間に新しい掃除機を買ったんだけど、めっちゃ快適〜!)


朝、部屋の隅でほこりをかぶっていたルンバを手に取り、コード類を束ねてからマンションの集積所に持っていった。

上の子がまだ赤ちゃんの時に買ったルンバ。
慌ただしい共働き生活のよき仲間だった。
子供が追い回されて泣いたり(上の子は泣いて逃げたけど下の子はわりと平気だった)、食べこぼしを掃除したり、色々あったよなあとエレベーターに乗りながら思い出して少ししんみりした。

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集積所はマンション入り口付近の道路沿いにあり人目につく。
ここにルンバがあったら目立つだろうなと思いながら集積所を見ると、先客がいた。

あるの、ルンバが。すでに。


まさかのダブルルンバ

何百戸もあるタワーマンションならともかく、たかだか数十戸のマンションでルンバの回収がかぶったのである。

うちのと同形色違いで、プラスチックが黄ばんでいる具合がいい勝負、そうとう働いたであろう先客ルンバ。

よかったね、さみしくないね。
私は先客ルンバの隣に慣れ親しんだルンバを置いた。

同じ建物の中で互いを知らずに働き続け、まさかの運命の出会いを果たした2台のルンバ。
いっそこのまま電源を入れて逃走させたくなったけれど、さすがにやめておいた。


偶然にも、先客ルンバはうちの子供の同級生の家のものだった(回収ラベルに部屋番号が書いてあって判明)。
やっぱり子供が小さいうちに買って、働いてきたんだろうな。

昼過ぎに見たらルンバはいなくなっていた。
今ごろ回収のトラックに乗り、ふたりで語っているだろうか。ありがとね。

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