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金銭管理は自分ひとりでするもの?―KAERUを使った自立支援

こんにちは!KAERUラボです。
リサーチ業務を中心に、日夜サービス改善に取り組んでいます。

KAERUラボが所属するKAERU株式会社は「誰もがお買いものを楽しみ続けられる世の中にする」というミッションのもと、お買いものや金銭管理を支援する「みまもり機能付きプリペイドカード」のKAERUを運営しています。

KAERUのみまもり機能は、金銭管理に悩みを抱えている方々の日常生活の自立支援をします。みまもり機能の具体的な機能はこちらの記事で概要をまとめていますが、自立支援に関しては触れていませんでした。

そこで今回の記事は、自立という言葉に触れながら、KAERUの自立支援とはどういったものかをお届けします!


KAERUの目指す自立支援

自立支援と聞くと、他の助けを借りずにひとり立ちを目指す支援なのかと思われるかもしれませんが、KAERUの目指す自立支援はそれとは少し異なります。

自立の考え方に関しては、当事者研究に取り組まれている熊谷晋一郎さんの言葉が有名なので引用します。

「自立」とは、依存しなくなることだと思われがちです。でも、そうではありません。「依存先を増やしていくこと」こそが、自立なのです。

自立とは「依存先を増やすこと」|全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)

引用元では「依存先」と表現されていますが、「つながり」に置き換えてもいいかもしれません。

自立における課題の一つに、つながり先が少ないことで不安定になることがあります。例えば、つながり先が少ないことで「必要なサービスが受けられない」「不安に感じて自身の意見が言えない」といった悩みに突き当たるかもしれません。

しかし、つながり先を増やしていくことができれば、希望するサービスを見つけられたり、安心して自身の意見を主張できたりと、自身の内面や他者との関係性に安定感をもたらす可能性があります。

こうした考えをもとに、当事者の方々のつながり先を増やすために、KAERUは「KAERUがつながり先の一つになること」「当事者と支援者のつながりをつくること」を自立支援と捉えて、一人でも多くの方々に支援を届けることを目指しています。


自立支援を届ける背景

KAERUが自立支援の実現を目指す理由として、日本の超高齢社会があります。労働力人口の割合が減ることや、高齢者の割合が増えることによる具体的な現象は、様々なところで見ることができます。

例えば、社会福祉協議会が実施する日常生活自立支援事業の利用者数の推移を見ると、年々増加傾向であることが分かります。

「日常生活自立支援事業の実利用者数・利用者内訳の推移」
厚生労働省. 2023年.『総合的な権利擁護支援策を充実する必要性とモデル事業の概要』p14.

一部の地域では受け入れの限界を感じているところもあります。そうなると、場合によってはサービスを必要とする方々に日常生活自立支援事業を届けられない可能性が出てきます。こうした状況のなかでも持続可能な社会サービスを実現するためには、テクノロジーを有効活用していくことが解決策の一つです。

しかしながら、忘れてはいけないのが、テクノロジーだけでは解決できない多くの問題が存在することです。例えば、60歳以上の男女を対象にした「近所の人たちとのつきあい」に関するアンケートにおいて、「親しくつきあっている」の回答割合を見ると、1988年は64.4%ですが、2014年は31.9%に減少しています。

「60歳以上の男女を対象にした高齢者の近隣とのつながりの状況」
厚生労働省. 2023年.『総合的な権利擁護支援策を充実する必要性とモデル事業の概要』p8.

このような傾向から、近年では孤立化や地域とのつながりの希薄化が問題視されています。どれだけテクノロジーが進化したとしても、人々が直接支援を提供することでしか実現できない価値があります。孤独・孤立対策や身体介護などの多くの支援には当事者と支援者のつながりが不可欠です。

以上で見てきた現状の課題を背景に、KAERUは自立支援を届けています。自立支援によって「持続可能な社会サービスの実現」と「当事者と支援者がつながり続けられること」の両立を目指します。


KAERUの自立支援の事例

具体的なKAERUの自立支援の一つに「パートナー機能」があります。
(今回は概要だけをお伝えして、詳細はまた別の機会にお届けします…!)

この機能を使うと、みまもり機能にある「残高や履歴の確認」「紛失時のカード停止と再発行」「やりくりアシスト」の設定や調整を、支援者に頼ることができます。

KAERUを利用中の支援者は多岐にわたっていますが、主には、以下のような方々にご利用いただいています。

  • 社会福祉協議会や福祉施設の職員の方々

  • 社会福祉士や弁護士や司法書士による成年後見人の方々

  • 当事者のご家族の方々

支援者の方々は職業も異なれば、当事者との関係性も異なります。そのため、それぞれの支援者の方々にインタビューを重ねながら、必要な機能を順次開発しています。

今後も機能追加を予定していますが、現時点での機能の違いなどは、以下のページをご覧ください。


おわりに

今回の記事はKAERUが目指す自立支援、そしてパートナー機能をご紹介しました。パートナー機能は具体的な機能紹介ができなかったので、次回以降のnoteでお届けしたいと思います。

引き続きKAERUに関する情報を発信していくので、note や X  (Twitter) のフォローを是非お願いします!

これからもKAERUをどうぞよろしくお願いいたします。

KAERUへのお問い合わせは (Contact | KAERU株式会社) よりお願いします。


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