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ターンテーブルを買うまでと、その後の話。

まず始めに僕はクラブやイベントでプレイするようなDJではなく、いわゆる「お宅DJ」です。

お宅DJでも凄い方はいらっしゃいますが末端というか・・

高校野球で例えると、地方大会一回戦で敗退した野球部員が野球を始めた話をするような感じかな?

DJに憧れたのは95年くらいだったかな、TVでDJがスクラッチしてるのを見てカッコいいな~と思ったのがきっかけでした。

今にして思うと既に92年にはDJ HONDAがDJ Battle World Supremacyで準優勝していたのに知ったのはだいぶ後の事だったなぁ。

前回のPMC-01Aの記事でも少し書きましたが、ホントに何の情報もなくて、分かってる事はレコードを擦ってるくらいだったので、DJ用のターンテーブルを買う前に普通のレコードプレイヤーを買ってしまっています

・・・で、プレイヤーを買ったらレコードも欲しいのですがCD全盛の頃で全然売っていない。

しかし、地方都市の大型CDショップの片隅でひっそりと100枚くらいのレコードが売られているのを発見し知ってる曲なんかもちろん無いのでジャケ買いで人生初のレコードを購入。

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BILLY TAYLOR TRIO - AT TOWN HALL

ジャズのライブ盤でした~

まぁ、そんなの気にせず擦りましたね~ プレイヤーもレコードも針も傷めて当然ですが、まともなスクラッチ音は出ませんでした。

このレコードは後に、ちゃんとしたターンテーブルを買って少しレコードが増えてきた頃に盤反りを直すテストに使われ、あえなく失敗しライターで炙られて皿になった後、投げて遊んだりして割れて捨てられます

ゴメンナサイ。

ジャケットだけはボロボロだけどまだ残っていて、ジャケットが無くなった別のレコードを入れて使ってます。

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あと古本屋なんかでレコードが売られてたのを発見して歌謡曲の7インチ、ピンクレディーとか松田聖子なんかを買いましたがHIP HOPが聞きたいのにレコードが売ってないから仕方なくって感じだったので、針に服を引っ掛けて折ってしまったのを境にレコードから遠ざかりました。

身近にレコードを聞く人も居なかったので針を交換すれば良いなんて事も知らなかったしなぁ。

HIP HOPは段々と人気が出てきたみたいで地方のCDショップにもRAPのコーナーが出来ていて名前だけは知っていたMCハマー、RUN DMCを中心に少しずつRAPのアルバムを買っていました。

そんな中ようやくDJセットを買うきっかけとなったのは、雑誌の広告にDJセットが出ていたからでした。

ターンテーブルはSL1200-MK3でミキサーは自分が買ったVestaxのPMC-01AかTechnicsのSH1200(たぶん)の2択だったと思います。

PMC-01Aの記事で書きましたが絶対SH1200にしてたほうが良かったです。

何も知らない人間がターンテーブルを買ったのでプラッターの上にスリップシート、スリップマット、ゴムマット、レコードと置いて何かおかしい、何かおかしいと思ってました。

さて念願のDJセットは手に入れたのですが、レコードはほとんど持ってません。

(CDでもDJが出来たら良いのになぁと思ってましたが、既に94年にはパイオニアがCDJ-50を出してた事なんて知らなくて、2001年にCDJ-1000が出る話を聞いた時にスゴイ!CDでDJが出来るのかスクラッチはできるのか?とワクワクしたものです。)

この頃に地元でもレコードをメインに取り扱いしてる店がある事を知り、家から自転車で40分かけて時々覗いてましたが、(知識も無かったし)欲しいレコードは滅多に売ってなくて、マンハッタンレコードを中心にカタログ通販で購入する事が増えてきました。

レコードの人気は一気に高まってきて、国内のアーティストもアナログ盤でも新曲を出したり、CDオンリーだったショップがレコードも売るようになったり、はては衣料品店や雑貨屋なんかでもレコードを販売したり、新たなレコード屋がオープンしたりしました。自分がターンテーブル欲しくて見に行くも売ってなかったオーディオショップもターンテーブルを販売しだしてピッチの変化をボタン1つで±0に出来るSL-1200MK3Dなんかも出てました。

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さて、DJについてですがHow To DJの初級編ビデオ(DUB MASTER X氏が出てた)を見て、ようやくDJが何をしているのかが分かってきました。

「左右の曲の速さを揃えて混ぜながら次の曲に行く」

これだけ聞くと簡単そうに思えますが、曲の速さを数字で表すBPM(Beats Per Minute=1分間に鳴る拍数を表す)をどうやって調べるのか?今ではミキサーにリズムに合わせてタップすればBPM計測してくれる機能が付いてる物もあるけど、DJの知り合いは、おらず教えてもらう事はできなかった。かといって一分間も1234・・・と数える根気も無いので、無い智恵を絞りストップウォッチを使ってBPMを計測する方法を考えました。

自分は小節ではなくエイト(2小節分)間隔で曲の構成を見てたので1エイトの長さをストップウォッチで計測して予め用意しておいた表の数字と照らし合わせてBPMを調べます。

BPM120だと120(BPM)÷60=2(X)(1秒で2拍)、8÷2(X)=4(1エイト4秒)

この計算式に当てはめBPM80~120までの表を作って、ターンテーブルの下に置いておき、ストップウォッチで1エイトの長さを測っては表と見比べるって感じでやってました。

「HIP HOPのMIXは難しくないか?」

BPMの表も完成し持ってるレコードのBPMを調べますが、BPMが結構バラつきありました。80半ばの物もあれば110以上の物もあり±8%では合わない事も多いし、あんまり大きく変えてしまうとBPMが合っていても違和感がでてしまうし、ほぼ同じBPMの曲でも相性が悪いとダメだったりと、持っているレコードに対して実際にMIXで使える枚数っていうのがかなり少なくなってしまいます。

「BPMに囚われて本来の感覚を忘れる罠」

DJ機材を手に入れると曲をMIXできるようになるので、どうしてもBPMの事ばっかり考えがちになってしまう。そんな時に、DJ機材を買う前に作ったテープを聞いた。ただ持ってるCDの曲を並びを考えて録音したものだが、カッコよかった。音が一瞬止まってしまってもBPMが変わっても前の曲の雰囲気や流れを意識して選んだ曲はスーッと入ってきた。大切な事を忘れていた気がしたが、やっぱり今でもBPMを気にしてしまいます。MIXよりも先にカットインで流れを大事に繋ぐ練習をした方が良かったのかもしれない。

「スクラッチについて」

今では簡単なスクラッチは出来るようになりましたが、練習を始めたばっかりの頃は、レコードの動きとクロスフェーダーの動かし方のズレに苦戦。ほとんどの場合、フェーダーを先に動かしてからレコードを動かす必要があるのに、どうしてもレコードとフェーダーを同時に動かしてしまい思った音が出せないでいました。根気よく練習し、頭で考えずとも手が勝手に動くようになってからは一気に楽しくなって擦りまくりでした。

そういえば、スクラッチやビートジャグリング用のレコード(バトルブレイクス)があるって事を知ったのも だいぶ後(もしかしてまだ無かった?)だったので、Ultimate Breaks & Beatsとかシングルを買う時になるべくアカペラ入りの曲を探したりしてたなぁ。

その後

さぁ、書くのにも疲れて来たし、一気にその後の事を書いて終わりにしたいと思います。まず長らく不満だったDJミキサーを買い換え、針も44Gを使っていたのをオルトフォンのコンコルドに替えました。外部入力したものをCDに焼けるデッキなんかを買ったりしましたが、元々好きだったゲームの方に重点を置くようになって、買うレコードの枚数も減っていき、逆にPCでCDを取り込んで簡単に聞けるので、レコード買い出してからは、あまり買わなくなっていたCDも少し買い出しました。とはいえ特に音楽に関する情報を集めていたりはしてなかったので、たまたま聞いて良かった曲や遊んでて気に入ったゲームのサントラなんかを買うぐらいでした。

そんな状態が何年も続くのですが、たまたま動画配信サイトでDJやってる人を見て、延々とMIXしてるのにずっと同じレコードを使ってる何だこれはエアーDJか?と不思議に思い調べてみて初めて、タイムコードが刻まれた専用のレコードをPCの曲と連動させて、あたかもPCの曲のレコードを使った感覚でDJできるDVS(デジタル・ヴァイナル・システム)の事を知って、かなりの周回遅れで凄い!って感じて、PCDJ、DVSを始めて、今に至ります。

おわり

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