2021年6月26日(土)

金と引き換えに心身の休息や快楽をどこまでも追及することを許すことをあらかじめ決めていた日だった。人間の手指の動きだけで他者の心身をどうにかしてしまえるのは、恐ろしいことのように思えた。私は私が楽器になったみたいだと、どこか冷めた部分で冷静に思っていた節もあった。相互の歩み寄りが大事だった。そのあとはサウナに行った。池袋に新しくできた施設らしかった。人間たちがひしめきあって蒸されていたり、蒸されるために順番を待っていたりした。人数限定で行われるロウリュウは抽選式で、種々のサウナや浴槽が所狭しと並べられているせいでほかの施設のそれと比べてもずいぶん狭くなっている浴場の通路に全裸の男性が行列をなし、あたりの籤のみ先端が黒く塗られている割り箸をひいては去っていた。その先端の色に応じて、「おめでとうございます」と「またお願いします」のどちらを言うべきか適切に判断を下すスタッフの動体視力と判断力に感服していた。私が掛けられたのは「またお願いします」だった。家に帰って冷やし中華を作って食べた。明日は両家顔合わせで、その準備をした。

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