2022年5月27日(金)

新宿駅と新宿三丁目駅をあまりにもシームレスに繋いでいるあの地下通路で、今週二度目の火災報知器の誤作動、と思っているのだけれどももしかすると違うのかもしれない、火災の火種というのが気づかないだけであったのかもしれない、とにかく鳴り響いた。通行人の誰も彼もが焦っていなかった、どうせこれは誤作動だろうと悠々自適に歩を進めていた、その確信は周囲の人間の焦らなさからもたらされるものだった、それを循環させていて私もその要素の一つとなっていた、しかしわかりづらいけれどもいくつかの区画で構成されている地下通路の丁度継ぎ目の部分、地上で言えば恐らくは伊勢丹のある交差点の角のあたりだろう、そこの自動防火シャッターが今にも降りますよ、みたいな大きな金属音が私がそこを通過しようとするその瞬間に立てられて、心臓が止まると思ったという常套句のまさにど真ん中、みたいな驚き方をさせられた。今日は雨が強かった。風も強かった。傘が逆風に煽られて歩くのを諦めそうになっている人間の様子を、スターバックスのガラス張りの窓越しに眺めた。午後からは雨が上がった、それにつられて気分も上がればいいのだが。

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