2021年6月17日(木)

シャッターが降りている、ホームセンターと呼ぶには小振りな構えの、ただし例えばその二階に店主の住居があるというような個人店ではないという風情の店のなかから、商品と思われる目覚まし時計が鳴り響く音が聞こえてきた。誰も止める術を持たなかったし、時計が起こすべき人間もいなかった。人前で話した。いっそのこと開き直って抑揚のなさを売りにしていくよりほかないように思われた、それを売りにして受け入れられるにはそれなり以上の働きぶりが求められるだろうけれども、抑揚を適切につけた話し方を習得する努力をするよりは楽なように思えた。夜飯にはアサリご飯を食べた。アサリが少なかった。

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