2022年2月12日(土)

二十代最後の日。バスで修善寺に向かう。道中の高速道路から感じられてくる空の広さ。蕎麦に付属している生山葵を自力で擦るというただそれだけの行為に嬉しさを見いだす妻に嬉しい。源氏所縁の種々の墓地を見る。風情のある温泉地よろしく川が流れている。「多摩川みたいなばかでかい川も好きだがこういう温泉街のちょろ川も捨てがたい」などと私は言っているけれども、最近はその好きという感情がやってくるのがちょっと無条件が過ぎるのではないかという危惧もある。ふらっと入った蜂蜜屋の店主と思われる女性の蜂蜜の勧め方がちょっと恐ろしかった、あれは宗教とまでは言わないまでも、保険か何かを勧めるときの論理と口調だった。宿で穏やかに過ごし、ご飯を食べて二人で温泉に入って眠った。


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