2021年7月24日(土)

朝飯に出てきた削り節がとても美味しかった。高千穂峰に登る計画をしていたが雨が降っていた。とりあえずその登山口に向かうことにした。駐車場の窓口の男に駐車料金の五百円を支払った。それを確かに受け取りました、みたいな顔をしたのちに、今日は雨が降っているので登山には適していませんよ、私は止めましたよ、という言葉をかけられた。そういうことはその五百円を受け取る前に言ってほしかったが、そのことについてぶーぶー文句を二人で言い合うという楽しい時間を過ごすことができたので安いものだった。それに行けるところまでは行くことにした。今あるものは三代目だという霧島神宮の、移転前の二代目にあたる鳥居や、何かが祀られている気配がありありとしている空間が入り口にあった。それからしばらくは石畳の道が続いた。休み休み歩いた。やがて空間の質が明らかに変わった。前触れのようなものはなかった。そこから先は馬の背やお鉢に続いていて、危険の度合いがぐんと増すことこのうえなかった。辿り着いたそこを我々の頂点として引き返した。それから宿に戻って部屋にこもって酒盛りをした。どこにも行かないという選択を旅行中においてでもできるようになったこと、別に旅行をしなくても過ごせそうな過ごし方の時間を、それでも日常と区別して味わうことができること。

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