2021年9月23日(木)

都営大江戸線の「六本木・大門方面行き」という言い方やその言い方を可能にしている路線の構造を、未だにきちんと理解していない。どこにもたどり着かないで環状に循環しているということなのか。清澄白河のあたりに流れる隅田川はいい光景だったが、水それ自体は清くも澄んでも白くもなかった。多摩川などと違って河川敷がなくいきなり家という感じで、街の生活に馴染んでいた。東京現代美術館に行った。横尾忠則の個展を主目的として、その他諸々の美術に触れようという魂胆だった。横尾忠則の、キャンバスの平面に留まらない構築物の使用と、それに負けない色彩や絵具それ自体の立体感が、調和しているというよりも理屈なしに拮抗しているという形で現れている様を、実物原寸大で見ることができた。あんなに大きな絵をあんなにたくさん一人で描いてきたのだという時間の蓄積に圧倒された。とはいえ疲れた。美術館には定期的に行きたくなって行っているけれども、そのたび美術鑑賞にはそこまで心惹かれないということを思い出し、むしろそれを確認するために、定期的に行っているのかもしれなかった。帰りはバスに乗った。都心を走るバスに乗るのは好きだった。夜道を歩くときはなるべく明るい服を着て自分を目立たせましょう。車内アナウンスにて警察からのお達しが伝えられたが、余計なお世話だった。

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