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映画で私を知った話

一昨年の冬、友人と「スラムダンク」を見に行った。

もともと、漫画やアニメは好きだったけれど、もうすっかり映画に魅了されてしまった。


とにかく、試合の迫力がすごい。

目の前で行われている試合を観戦しているような気持ちになってしまうくらい、音も動きもすごい迫力と臨場感だった。

そして、音楽も、とにかくかっこいい。試合の大事な場面で、あの曲がかかると、すっかり気持ちが昂ってしまって、叫び出したくなるくらい、もうすっかり映画の世界に引き込まれてしまった。


1ヶ月もすると、またあの映画の世界に触れたい!と思い、2度目は、母と観に行った。

母は、スラムダンクをよく分かっていないので、あの坊主は、どの坊主?と混乱した場面もあったようだった。けれど、ストーリーにグッときた、と言っていた。

私も母と観る2度目の映画は、すっかり母親の気持ちで見てしまって、とにかく泣けて泣けて仕方なかった。

試合中も、とにかく祈る気持ちで、どうか怪我なく、そしてできれば勝ち上がって欲しい、努力が報われて欲しい、なんて、もうすっかりお母さんの気持ちで、観てしまった。

不器用な親子のやり取りや、母の辛さや息子の思いに、すっかり泣かされて、もう、なんていい映画なんだろう…!と、2度目もしっかり楽しんだ。


この素晴らしい映画を、息子にも見せなければ!と、3度目は息子と観に行った。

息子は、本当に試合を応援するように、身を乗り出して、キラッキラする目でスクリーンを見つめていた。声は出さないまでも、悔しそうにしたり、喜んだりと、表情をコロコロ変えながら、本当に食い入るように映画を観ていた。

その横顔を眺めながら観る映画もまた、最高だった。


同じ映画を繰り返し、映画館へ観に行くのは、初めてだった。
音も絵も動きも、全てがよかった。

何より、誰と観るかで、こんなにも感じるものが違うのかと、驚いた。

友達と見る映画、母と観る映画、子と見る映画。

私は私であって、子どもであって、母なんだと改めて思えた時間は、とても素敵なものだと思った。


#映画にまつわる思い出

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