利用者本人がSNSに投稿する時代はもうすぐそこまできている

今日は介護ニュースではなく、私が感じている介護の未来についてお話したいと思います。

介護業界に身を置いて十数年が経ちました。現場にいて感じるのは、職員自体がインターネットやパソコンに弱い人が多いこと。自分がわからないからか、利用者である高齢者もネットに弱いと思っている人が多いように思います。そして、利用者を支える家族もネット環境に疎いと思っている。それが介護職員の怠慢につながっていると、個人的には感じています。

今、介護サービスを利用している人の多くは、70代以上だと思います。この年代は確かにネット環境には疎いでしょう。しかし、その高齢者を介護する子供さんである世代は50代以下。パソコン黎明期にたしなんだ人はいるはずです。40代ともなると、携帯でwebサービスが始まった世代であるわけで、スマホをそつなくこなす人も多いでしょう。

そして、これからの介護時代。2025年には団塊世代が後期高齢者となります。この世代は好奇心旺盛な人も多いですし、今すでにスマホを使いこなしている人も少なくありません。

これから高齢者となる50代、60代前半の世代は、SNSを使いこなしている人も多いでしょう。Facebookには50代以上の利用者が増えてきている印象も受けますし、Twitterでもよくお見掛けしています。

そういう状況にあるということは、これから介護サービスを受ける高齢者がSNSで実際に利用した様子を投稿する時代が来る日は近いということです。例えば、「あそこのデイサービスは食事がおいしい」「どこそこのデイサービスにはかわいい子がいる」など、そういう投稿が当たり前になる時代はすぐそこまで来ているといっていいでしょう。

では、そのような時代に向けて私たち介護職は何をすべきでしょうか。

答えは単純です。私たちは、本来の介護の目的をしっかりと理解し行動すればよいのです。働いている施設によっては、業務優先にならざるを得ないかもしれません。しかし、自分がしっかり信念をもって行動していれば、利用者さんは「この人は違う」と必ずわかってくれます。だって、利用者さんは私たちより人生経験が豊富なのですから、携わる介護職員が信念をもって行動しているかどうかは見抜く力があるはずです。

そうは言っても、SNSの投稿におびえて媚びを売るようなサービスはすべきではありません。しかし、SNSに投稿されることを念頭に置いて、サービスの質を見直していくことは決して悪いことではないでしょう。むしろ、第三者視点としてその意見を真摯に受け止めれば、きっと介護の質は上がるのではないかと私は思っています。

SNSでの投稿は、私たちのようなサービス提供側が止めることはできません。それならば、良いサービスを提供して「ここは素晴らしい」という情報を流してもらえる努力をすべきではないでしょうか。利用者自身がSNSで口コミを流す時代はもうすぐそこまで来ています。だからこそ、私たちはその状況をしっかりと理解し、真の意味での最高のサービスを提供すべきなのではないでしょうか。

少なくとも私は、自分の信念に従って利用者さんが「ここに来てよかった」「ここをおすすめしたい」と思えるサービスを提供していくために、努力し続けたいです。

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