ラジオドラマ脚本:夢見る少年たちの冒険譚

登場人物
ウェンディ・サトクリフ 女
サトクリフ家の長女。年の頃は11才。ピーターパンの存在を信じている。

アンディ・サトクリフ 男
9歳の男の子で長男。本を読むのが好き。

マイケル・サトクリフ 男
7歳の男の子でサトクリフ家の次男。

ピーターパン 男
ネバーランドに住まう少年。前向きかつ楽観的。空を飛び回るのが好き。

ティンカー・ベル(劇中ではティンクと表示) 女
ピーターの相棒。ピーターのことが誰よりも好き。他に女の子が居ると嫉妬しやすい

キャプテン・フック 男
ネバーランドに住む海賊。ピーターパンと敵対している。

部下 男
キャプテン・フックの部下。

リュート 男
ネバーランドに住む少年。ピーターパンを慕っている。

エリック 男
ネバーランドに住む少年。リュートと仲が良い。

クリス 男
ネバーランドに住む少年。4人の中では1番大人びている。

アドルフ 男
ネバーランドに住む少年。後先考えずに突き進むタイプの行動派。

本編
ウェンディ:さぁ、マイケル。もう寝る時間よ
マイケル:うん。・・・ねぇ、お姉ちゃん
ウェンディ:どうしたの?
マイケル:またあのお話聞かせてくれる?
ウェンディ:分かったわ。ピーターのお話でしょ?
マイケル:うん!
ウェンディ:それじゃあ話すわね。・・・この世界の何処かにネバーランドっていう永遠に子供のままでいられる星があるの。そこにはピーターパンっていう男の子が住んでいて・・・

(ピーター、街中をティンカーベルと一緒に飛んでいる)
ピーター:ふふっ、見ろよティンカーベル。真夜中の街っていいよなぁ!人っ子一人居やしない
ティンク:余所見していたら電柱にぶつかるわよ、ピーター。・・・それよりもこんな人間の住むところに何の用があるわけ?
ピーター:僕の大事な短剣を落としちゃったんだよ。この街の何処かにあるはずなんだけど・・・
ティンク:短剣を?なら、なおさらまずいじゃない
ピーター:だから探しているのさ。ティンクも手伝ってくれよ
ティンク:分かったわよ。うーん・・・何処にあるのかしら・・・
ピーター:まぁ、くまなく探せば見つかるはずさ!・・・お?
ティンク:どうしたの?
ピーター:あの家、こどもがまだ起きてる。ちょっと行って見ようぜ
ティンク:あ、ピーター!
ウェンディ:・・・ピーターパンはいつもこう言いました。ネバーランドに居ればいつまでも子供のままさ。難しい勉強もしなくていいし、大嫌いな野菜も食べなくていい。僕らはずーっと此処で遊んで暮らせるのさ。・・・・・・(一息つく)良かった。マイケル、やっと眠ったのね
ピーター:・・・女の子?
ティンク:ピーター!
ピーター:しーっ!あの子に気づかれるぞ
ウェンディ:・・・ん?
アンディ:どうしたんだい、姉さん
ウェンディ:ううん、何でもない
アンディ:ウェンディ姉さんもこの子供部屋が今日で最後になるなんてなぁ・・・ひどいよ、父さんたち
ウェンディ:仕方ないわ、いずれ大人になるんだもの
(ウェンディ、窓の近くに行く)
ウェンディ:もし、願いが叶うなら一目でもいいわ・・・ピーターに会ってみたい
ピーター:(あの子・・・もう明日から大人として扱われちゃうのか・・・)
ピーター:それは駄目だ!
ウェンディ:・・・え?
ピーター:君みたいな素晴らしい子供をこのまま大人になんてさせない!
ウェンディ:あなた・・・誰なの?
ピーター:こんばんは。君の願いを僕が叶えに来たのさ
ウェンディ:願い?
ピーター:そうさ。君は会いたいって言ったじゃないか、この僕に
ティンク:・・・また始まった・・・・・・(呆れ気味に)
ウェンディ:・・・まさか、ピーターパン?
ピーター:正解!
ウェンディ:嘘・・・!アンディ、マイケル!(嬉しそうに呼びかける)
マイケル:んー・・・どうしたの?姉ちゃん・・・(寝ぼけながら)
アンディ:うー・・・誰かそこに居るの?
ピーター:誰だい?あの二人は
ウェンディ:私の弟たちよ。アンディとマイケル
マイケル:もしかして、ピーターパンなの!?
ピーター:あぁ、もちろん
アンディ:すごいや・・・本当に空飛んでる・・・
ウェンディ:私の願い、叶えてくれたのよ!本当に嬉しいわ!
ピーター:ふふっ、じゃあ早速だけど、君たち・・・
ティンク:(話に割り込む)ちょっとピーター!大事なこと、忘れてない?
ピーター:大事なこと・・・?あ、そうだ!
ウェンディ:この子・・・妖精?
ピーター:こいつはティンク。僕の相棒さ。あ・・・そういえば、君は?
ウェンディ:私はウェンディ。ウェンディ・サトクリフよ
ピーター:よろしく、ウェンディ。そうだ、僕の短剣見なかったかい?
ウェンディ:短剣・・・?
マイケル:お姉ちゃん、ほら!こないだ裏道で拾ったやつ
ウェンディ:あ、もしかして!(引き出しを開ける)もしかして、これかしら?
ピーター:そうそう!これだよ!やったぜ、ティンク!これでまたフック船長とやりあえるな!
ティンク:もう・・・今度は落とさないでよね
ピーター:さぁ、話を戻そうか。僕の短剣を見つけてくれたお礼に君たちをネバーランドに連れて行ってあげるよ
ティンク:ちょっと、ピーター!?
ウェンディ:ネバーランド・・・素敵だわ・・・
アンディ:気持ちは嬉しいけど、僕たちは普通の人間だよ。どうやって飛べばいいのさ?
ピーター:こいつの力を借りればいい。こいつが振りまく粉をみんなに・・・
ティンク:わっ!?ちょっ、ピーターったら!
ピーター:よし!さぁ、みんな!これで飛べるはずだよ
マイケル:な、なんだかすごいことになってる!
アンディ:すごい、僕ら本当に浮いてる!
ウェンディ:私の体も・・・!これでネバーランドに行けるの?
ピーター:あぁ!
マイケル:ねぇ、早く行こうよ!
アンディ:ついに・・・あの星へ・・・
ウェンディ:ピーター、私もお願い・・・!
ピーター:みんな行くよ!ネバーランドへ!

ティンク:何なのよ、あの女。ピーターに馴れ馴れしく・・・!
(ティンク、後を追う)
ティンク:ピーター!待ってよー!

ピーター:ここはネバーランドの海賊の砦。4人の少年たちがフック船長の船に隠れていた・・・

リュート:へへっ、あいつら、俺たちがこの船に居るの全然気づいてねぇな
エリック:どうすんだ、リュート。ピーターの兄貴から宝の地図を探すように言われたはいいけど・・・あいつら、船から出る気配ないぞ?
リュート:どうせその内どっかに行くさ。あとはあいつの大嫌いなワニでも出てきてもらえりゃ手間は省けるんだけど・・・
クリス:ピーターの話によると、フック船長はこの後インディアンの娘に会いに行くそうだ・・・もし、狙うならそれが絶好のチャンスだな・・・
アドルフ:そうとなったら、とっとと船長にはこの船を下りてもらわないとな!
エリック:しっ!声が大きいぞ、アドルフ
アドルフ:ごめん・・・
部下:あぁーん?さっきからごちゃごちゃうるせぇと思ったら・・・お前ら、ピーターんとこのガキどもじゃねぇか?
リュート:やべっ!ばれた!
クリス:ここはいったん、逃げるぞ!
アドルフ:逃げるが勝ちー!
フック:おっと、そういう訳にはいかないなぁ・・・
エリック:げ、フック船長・・・
フック:お前ら、この船に何の用だ・・・?
クリス:何しようが俺たちの勝手だろ
フック:だが、ここは俺様の船の上だ。その勝手を俺様が許すと思うか・・・?
リュート、エリック、クリス、アドルフ:・・・・・・・・・やばい
フック:ひっとらえろ!
部下:イエッサー!お前ら、行くぞー!

ピーター:ひゅー!やっと着いたぜ
ウェンディ:ここが・・・ネバーランド・・・
アンディ:とっても綺麗な島だねぇ
マイケル:ねぇ、あの船何ー?
ピーター:あの船はフック船長の海賊船さ
ウェンディ:すごーい!あそこは人魚の住処ね
マイケル:あの民族衣装は・・・インディアン!本当に居るんだ!
ピーター:良かった。3人とも、僕たちの秘密基地の招待するよ
ウェンディ:ピーターとティンク以外にも誰か住んでいるの?
ピーター:あぁ、子供たちが4人。君にも後で話すよ
ティンク:ピーター!大変よ!
ピーター:どうした?ティンク
ティンク:あの子達、フック船長に捕まってるのよ!
ピーター:ほんとだ・・・!助けに行かなくちゃ!
フック:ふふふ・・・さぁ、お前ら。あいつが来るまでたーっぷりお仕置きしてやらんとなぁ・・・
リュート:ピーターパン・・・早く来てぇ・・・!
アドルフ:お、お前なんか怖くないぞ・・・!
フック:お前らが狙っているのはこの地図なんだろ・・・?
クリス:あ・・・それは・・・!
フック:どうせピーターのやつから盗んでくるように言われたんだろ?
4人:・・・・・・・・・
フック:ま、ピーターパンなど俺様がこの鉤爪で目玉を抉り出すくらい簡単なことだがな
フック:でも、まずはお前らからだ。さて、誰が1番最初になるかな・・・?
ピーター:そうはさせないぞ!
フック、部下:!?
ピーター:子供たちは返してもらう!
リュート、エリック、クリス、アドルフ:ピーターパン!
フック:来やがったなぁ、小僧!
部下:船長、今日こそあいつをコテンパンにする時ですぜ
フック:そのくらい分かっている。来い、ピーター!
ピーター:ははっ、相変わらずだなぁフック船長!・・・っと、その前に、ウェンディ!
ウェンディ:どうしたのー?
ピーター:そこの4人の子供たちを頼む!
ウェンディ:分かったわ!

フック:おのれ、ピーター・・・!またガキどもを連れて・・・!
ピーター:ここに子供たちを連れて来させるのが僕の使命だからね
フック:ふん、お前なんぞこの俺様が倒してやる!
ピーター:今日も勝負だ!

ウェンディ:・・・3人の子供たちと彼のお話はまだまだ始まったばかり。このお話の続きは・・・また明日にでもしようかな?







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