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楓双葉
2017年4月23日 16:56
突然けたたましい非常ベルの音が聞こえ身構えた。慌てて床から立ち上がり、カーテンを少し開け外の様子を伺ったが、濃い闇に星が幾つか見えただけで、どこかから煙が上がっているわけではなさそうだ。鼓動が高鳴って胸を触ると、心臓の位置がはっきりとわかった。振り向いてベッドを見ると、ピクリともせず彼は深い眠りについたままだ。どこまで無神経で図太い男なんだと呆れるがしかし、それも含めて彼