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フィンランドベイビーボックスを使ってみて

私は第一子誕生の折にフィンランドベイビーボックスという、1歳までの洋服が色々入っているセットを購入した。
色んな思い出がつまったこのボックスに感謝をこめて、買ってみて使ってみてどんな感じだったか、書いてみようと思う。

フィンランドベイビーボックスって?

公式サイトはこちら。

80年もの間、フィンランドの親たちにはフィンランド政府からベイビーボックスが支給されています。このボックスは、新生児の世話に必要な衣類からおもちゃまでの必需品が入ったスターターキットです。このマタニティ・パッケージのおかげもあって、今日フィンランドでは世界でももっとも低い乳児死亡率となっています。

公式サイト説明文

フィンランドベイビーボックスは赤ちゃんをお迎えする服とグッズが詰まったセット。私が購入したときの説明では1歳になるまでの服が入っているとのことだった。
細かい仕様はサイトのほうを参照です。

なぜこれを買おうと思ったの?

なぜ私がこれを買ったのか。
それは…、

私が福袋スキーだから。

大学生になりもさい服装に悩んでいた私は、ある時初売りの福袋をなんとなく買った。
袋から出てきたのは普段は絶対買わない色とりどりの服たち。えー…と思いながら着てみると…「あんがい着れる!似合う!」
福袋のおかげでファッションにちょっと自信がついた私は、以来初売りになると福袋を買わずにはいられなくなった。
開ける前のワクワク感。
開けた後のドキドキ。
費用対効果は私にはどうでもよいのだった。 

ときは過ぎて妊娠した私。
フィンランドベイビーボックスの話をネットで見かけて思った。
これってベビーグッズの福袋じゃんっ! 
値段がちょっと高くて迷ったけれど、
どうしてもワクワク感を味わいたくなって
「こんな時のために今まで残業してきたのよ!」とポチりと購入ボタンを押したのだった。

ベイビーボックスの特徴

一般的な特徴は公式サイトに書いてあるので、それ以外で感じた特徴を書いてみる。

①雪国ならでは、バツグンの防寒性

まず服の防寒性がハンパない。

例えば冬用のニットキャップ。
日本で売ってるものより地厚で網目がきっちりしている。「風を通さないぞ!」
そして一番ビックリしたのは耳当てが付いていること。

耳当てがお顔の側面を完璧にガードしてくれ、どんな寒さも寄せ付けない仕様になっている。

アウターはつなぎタイプが2種類入っていた。
ひとつはフリースで軽め。
ひとつはダウンでもこもこ。
フリースも日本のフリースとちょっと違っていて、生地の目が詰まっている。ぎちっ!風が吹いても寒くない。
私は首都圏在住で、ほぼフリースのほうだけで冬を乗り切れてしまった。
ダウンのほうはもっと防御力が高い。
まず、フードがふんわりではなくぎちっ!と顔にはまるように絞りになっている。

さらに袖にはボタン付き。手は出さないスタイル。外気から赤ちゃんを守る!

まれにマイナス数度の日がある程度の我が家では、このハイスペックダウンを活かしきれなかった感もある。だって一番寒い日に着せても「なんか暑そうだな…」という感想なんだもの。

洋服のボディースーツは腕が細めに作られており、着せると腕にフィットする。これも雪国仕様なんだろうと思う。スキーで着るインナーがそうだもの。弛みがあるとそこから冷たい空気が入るのかなと思う。

モデルは娘みーちゃん

多湿な日本はどちらかというとゆったり風通しをよくする洋服が多い気がするので、お国柄の違いに「へ~!」とふむふむにやにやして楽しんだ。


②北欧テキスタイルでユニセックスなベビー服

北欧柄の洋服が楽しめるのもポイント。
Reimaというブランドで、私が調べた範囲だと国内で手に入れるにはフィンランドベイビーボックスを買うかメルカリか、だった。

飾りやフリルはなくシンプル。
ビビッドな色使い、かわいい動植物の意匠。
こんな感じ。

モデルはみーちゃん

これはプレイスーツという種類の服で、袖はゆったりしている。

北欧柄はUNIQLOでも売ってたりしたけど期間限定でいつでもあるわけではない。
そんなわけで児童館では洋服を褒められて「へへへ…」とにやにやしてしまうこともあった。

③便利グッズ

基本は洋服が中心なんだけれど、少しグッズ系も入っている。
一番お世話になったのはこちらのぬいぐるみ。
ぬいぐるみといっても綿はほとんどつまってなくてふにゃふにゃ。最初は「原価ケチったのかしら?」と疑ってしまった。
ところがこの子が頼れるやつで。

みーちゃんが産まれてみて判明したこのぬいぐるみの用途は、ねんねのお友だち。

うささんをはむはむしながら夢の国へ…

ベロアっぽい生地が気持ちいいようで、寝かし付けの時に差し出してみると、はむはむしながらうとうと…ということが何度かあった。
感動! 

買ってみてよかったこと

①開けてハッピー!

やはり狙った通り福袋スキーにはたまらん奴だった。
第一子で何もかも未知な体験立った私。
届いたボックスを開けて
「きゃー!こんなに赤ちゃんて小さいの?!」
「きゃー!で、1年でこんなに大きくなるの?!」
と大はしゃぎ。
このボックスが届いたのは2月だったはず。
産休まであと2ヶ月。そのころ期末の納品に向けたデスマーチが始まっていて、残業を少ししたりもせねばならず、「妊婦なのに…お腹の子になにかあったらどうしよう…」とメンタルダウン。残業まではいかなくても定時まで仕事するだけでもしんどいし…

https://note.com/kaede_ao/n/n036916de22ec

そんな私は、ボックスで届いた赤ちゃん服を夜な夜な引っ張り出して眺めては、「もうすぐ赤ちゃんに会える…」とほっこりし、同時な「私が赤ちゃんを守らなきゃ…泣いてる場合ではないっ」と決意を新たにしていた。

②誰かが助けてくれてる気分になった

例えば夏なのに雨で急に寒くなったとき、ベイビーボックスに長袖が入ってて助かった、とか。
うさぎのぬいぐるみで娘が寝てくれた時とか。
そういう時、ベイビーボックスを企画、製作した誰かに助けてもらった気分になった。
はじめての育児かつコロナ禍で孤立しがちだったけれど、ネットとベイビーボックスのお陰でだれかと繋がってる感覚が持てた。
感謝してます。ありがとう。

買ってみて困ったこと

①同じテイストの服に飽きる

1年分の服が入っているのは準備面でよい反面、最後の方はちょっと飽きてきた感も…。
適宜洋服は買い足した。だっていろいろ可愛い服いっぱい売ってるし…。

②日本のベビー服との違いに準備で混乱

 西松屋とかアカチャンホンポでもらう出産準備パンフレットに書いてある用意したほうがよい洋服と、ボックスに入ってる洋服の種類が一致しないのもちょっと困った。
日本では赤ちゃん服は肌着+カバーオールだのロンパースだのを上に着せる。
ボックスに入ってたのはボディスーツとプレイスーツというやつ。
…これ、どこまでボックスのやつでカバーできて、どこからが買い足した方がいいんだろう??
ハテナが頭に飛び交った。
 
実際どうだったかというと、ボディスーツが肌着でプレイスーツが上に着せる奴、ざっくばらんにはそういうことだったのかなと思う。

ちなみにエアコンの効いた部屋であればボディスーツ1枚で過ごしても違和感なかった。
プレイスーツもそれ一枚で着せてなんの問題もない。寒かったら重ね着もできる。
(娘は夏産まれでした)

ボックスに入ってた洋服の枚数は、新生児ー3ヶ月くらいまでが3枚ほど。それ以降は2枚。
新生児はゆるう○ちで洗い替えが頻繁だったので、UNIQLOの赤ちゃん服を+3枚くらい追加した。(洗濯の頻度を下げるため)
それ以降も適宜洋服は買い足した。
ボックスに入ってる1年分の服とは、最低限用意したほうがよい枚数なようだ。

そのほか、ダンボールベッドについて

ベイビーボックスの外側の箱(ダンボール)は、マットレスが付いてきてそのまま赤ちゃんベッドになる。

こちらいつまで使えるの?というのも産前のハテナポイン卜だった。
公式では確か生後1ヶ月までと書いてあったような…

実際、娘は3300gと大きめに産まれたこともあり、退院後1習慣ほどで側面のカベに手があたるようになり、ベイビーボックスのダンボールベッドからは卒業になった。
そんなわけで、ベイビーボックスの次に使う布団の手配は事前にしておいたほうがよさそうだ。

他にもこぼれ話がある。
付いてくるマットレスが薄くて「え?大丈夫?」と思ったけれど、これは他の赤ちゃん布団もあまり厚くないということが判明。
ふかふか布団でひょんな拍子に顔が埋もれてしまったとしても、赤ちゃんは自力で脱出する力がないらしい。

このマタニティ・パッケージのおかげもあって、今日フィンランドでは世界でももっとも低い乳児死亡率となっています。

公式サイト説明文より

この文章は、そういう知識を知らずともボックスが補ってくれる、ということなのかもなぁと思っているところだ。