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［ぷちコラボ1］日本は先進国と言えるか？

秋桐 楓

日本は先進7ヶ国（G7）の一つ

　皆様もよくご存知の通り、日本は先進7ヶ国（G7）の一つです。カナダを除く6ヶ国は、20世紀前半までの帝国主義時代における列強です。
　大都市圏の、都心の高層ビル群の中を日頃歩いていると、日本はこんなに立派な建物がいっぱいあって、世界に誇るものづくり大国だ。地方の農山村に行けば、水資源に恵まれ、地元で捕れる海の幸・山の幸も美味しい。酒も美味いし、世界に誇る自然環境がある。G7に相応しい素晴らしい国だ。生まれ変わっても日本人がいい等々、日本を誇りに思う方、たくさんいらっしゃると思います。私も生まれ変わっても日本人がいいです。
　でもコロナ禍の現在、皆様の暮らしぶりはいかがでしょうか？「生活は苦しくないよ！大丈夫！」という方もいれば、「苦しい。仕事が無くなった。生きていくのに精一杯。」という方もいるでしょう。コロナ禍に入る前から自然災害による被災や増税で、生活が苦しいという方もたくさんいるはずです。さて、前置きはここまでにして、今日は「日本は先進国と言えるか？」について、考えてみたいと思います。

日経平均株価と実体経済

　令和3（2021）年2月17日（水）の衆議院予算委員会質疑。立憲民主党所属の田嶋要議員が、コロナ対策と経済情勢に関する質疑をされていました。質疑の模様は、こちらのYouTube動画をご覧ください。

（動画引用元：ネットに貼れる国会審議（Nth国会）様）

質疑を要約すると以下のようになります。

・日経平均株価の上昇と実体経済
・日銀ETFによる株価押し上げ
・お金持ちほど所得税負担率が小さい税制優遇
・日本とデンマークの経済社会指標の比較

　2月15日、日経平均株価が3万円を超えました。日銀がドバドバとお金を市場に流しているためです。その額なんと35兆円！日銀ETFに加えて年金GPIFも流れています。この公的にお金を市場に流している状態を、「官製相場」と言います。ETFとは、Exchange Traded Fund（上場投資信託）、GPIFとは、Government Pension Investment Fund（年金積立金管理運用独立行政法人）の略称です。日銀はETFで公的に市場にお金を流し、GPIFは皆さんが納めている国民年金や厚生年金保険料の積立金を市場に流しています。日本政府は、これで日本株を買い支えて、好景気バブルだ！コロナ後も安泰だぜ！とでも言いたいのでしょう。菅総理も多くの国民に恩恵があると言っています。本当にそうでしょうか？

　そこで、実体経済を見てみたいと思います。以下のリンク先は、帝国データバンク様が調査した、新型コロナウイルス関連で倒産した企業数です（令和3年2月19日現在）。リンク先からPDF形式のレポートもダウンロードできます。

新型コロナウイルス関連倒産 | 株式会社 帝国データバンク[TDB]　
https://www.tdb.co.jp/tosan/covid19/index.html

　累計倒産件数は1,047件。飲食業界や観光業界の倒産が目立ちます。私の地元でも、江戸時代から200年以上続く老舗料亭が倒産しました。東京都は首都ですから、件数が最も多いですが、大阪府の106件は深刻だと思います。個人の感想として、インバウンドに頼り過ぎた結果だと見ています。何をやっているのですかね、大阪の政治家は。

　35兆円を日銀から市場に流し、株価上がったのに何故実体経済はこんなに悪いのでしょうか？理由は、一部の金持ちしか恩恵を受けられないからです。日経平均株価に連動するインデックス・ファンドや、ソフトバンク、ファーストリテイリングのような大企業だけです。個人投資家は雀の涙。こんな状態で、金融庁に国民に投資を促し、老後の備えを！と言われても、無理ですよね。
　加えて、制度としてお金持ちほど所得税が税制優遇される構造になっています。年収1億円の方が一番所得税を負担しているんです。金融所得課税の見直しと、所得税の累進性強化をする必要があります。強者を助け、優遇することは、国家として正しい行いでしょうか？私は違うと思いますよ。

　続いて、日本とデンマークの経済社会指標の比較について。動画では19分ぐらいから触れています。田嶋議員の質疑では12の指標に触れていましたが、私は特に「幸福度」「一人当たりGDP」「自殺率」「投票率」「相対的貧困率」が深刻だと思います。皆さん、この数値を見て日本は先進国と言えるでしょうか？G7なのにこの状態です。先進国とは言えないと思います。
　菅総理の一連の答弁は、国民の安心のためにやっていると言いながら、のらりくらりと抽象的な答弁を繰り返し、最後には声を荒げる始末。10年前より経済社会指標悪化しているんですよ。安心できません。不安になるだけです。

毎月勤労統計調査から見た、国民の生活困窮

　最後に、ツェリ子様のツイートをもとに、国民の生活困窮について触れておきます。ツェリ子様には、いつも経済の勉強をさせて頂いております。リンクを貼りますので、皆さんもTwitterアカウントをお持ちでしたら、フォローよろしくお願い致します。

　コロナで実質賃金は軒並みマイナス。雇用者の月収は上がらず、物価が上がる。消費税もそのまま10%だし、国民は搾取されるばかりです。政権与党は大企業と資本家を優遇し、中小企業や庶民には自助を強要する。私は日本はとても恥ずかしい国に成り下がったと思います。本当に情けない。世界に誇る技術や文化は先進国と言えるかもしれませんが、それは国民の経済力があって初めて言えること。今の経済状況では、先進国とは思えません。中小企業を救い、分厚い国民の生活を取り戻すための、正しい経済と貨幣の知識を共有し、国民運動に繋げていく必要があります。自民党の言う事は正しい、野党の言う事は間違っているという思考停止はもうやめましょう。今生活できていても、明日はどうなるかわかりませんよ。気付いた時には手遅れかもしれません。そうならないために、今から動く必要があります。

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